最新記事
医療

モデルナ、コロナワクチン4倍に値上げ 「政府調達の規模の経済失う」バンセルCEO

2023年3月23日(木)12時36分
ロイター
モデルナのステファン・バンセルCEO

モデルナのワクチン。コネチカット州 で2月撮影(2021年 ロイター/Mike Segar)

米バイオ医薬品大手モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者(CEO)は22日、同社の製新型コロナウイルスワクチンが政府契約から商業販売に移行する際に販売価格を1回当たり130ドルと現在の4倍に引き上げることについて、政府調達による「規模の経済」が働かなくなるためだと釈明した。米上院の厚生教育労働年金委員会の公聴会で証言した。

バーニー・サンダース委員長はバンセル氏に価格の見直しを要求。数百万人の米国民がワクチンを購入できなくなる上、政府の研究がワクチンの開発に寄与し、17億ドルの政府補助が出ていることを考えれば新しい価格は不当だと訴えた。

これに対してバンセル氏は、政府向けには10回分入りの瓶を販売してきたが、商業販売では1回分入りの瓶か、あらかじめワクチンを入れた注射器に切り替えることになると説明。廃棄分を織り込んで十分な量を確保する必要性もあり、コストが増えると主張した。

バンセル氏は「何よりも需要が90%減ると見込んでいる。ご承知のように、われわれは規模の経済を失う」と述べた。

モデルナは2月、今年のコロナワクチンの売上高について、需要の減退により昨年の184億ドルから50億ドルへと大幅に落ち込むとの見通しを示した。

米政府は5月に新型コロナワクチン購入の大半を民間に移す計画。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

スペインGDP、第3四半期改定は前期比+0.6% 

ワールド

タイ、金取引の規制検討 「巨額」取引がバーツ高要因

ワールド

米当局、中国DJIなど外国製ドローンの新規承認禁止

ワールド

中国、米国に核軍縮の責任果たすよう要求 米国防総省
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 4
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 5
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 6
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 7
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中