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日本のヤバい未来 2050

日本の製造業は高齢者と外国人が主力、人口減少で革新的ヒットが生まれづらくなるこれだけの理由

THE FORECAST FOR SHRINKING JAPAN

2023年1月31日(火)16時45分
河合雅司(作家・ジャーナリスト)

製造現場では今や外国人労働者が主戦力(広島県の自動車部品工場) LINDA SIEGーREUTERS

<人口減少が日本のお家芸「ものづくり」を襲うとどうなるか。開発の最前線が中高年社員中心でマンネリズムの支配を許す組織文化では、若い開発者が躍動する外国企業に太刀打ちできなくなる――「未来の年表」が示す、製造現場に起きること>

※ニューズウィーク日本版2023年2月7日号「日本のヤバい未来 2050」特集では、河合雅司氏が数々のデータから5つの業界の大変化を映し出す。「縮んだ」ニッポンの未来の姿。人手不足と消費量の減少で、仕事の現場はここまで変わる――。

日本が人口減少社会にあることは、誰もが知る常識である。だが、企業や政府、地方自治体(行政機関)の「仕事の現場」に起きることを正しく理解している日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?

コロナ禍にウクライナ戦争が加わって世界経済は混沌としている。エネルギーや食料の価格高騰は各国を襲い、日本にもその余波が記録的な物価高となって押し寄せてきている。

こうした経済動向の変化に伴う景気の浮き沈みは繰り返し起きる。しかしながら大概は「時間」が解決してくれるものだ。時には画期的な技術の登場に助けられることもある。

一方、日本は「時間」では何ともならない課題を抱えている。人口減少だ。結婚や妊娠・出産に対する人々の価値観の変化がもたらした構造上の問題であるため、将来にわたってずっと続く。人口減少が社会に与えるインパクトは桁違いに大きく、繰り返し起きる経済危機や不況とは比べようもない。

いまさら少子化対策を強化しても、出生数の回復は簡単には見込めない。子供を産むことのできる年齢の女性数が激減していくためだ。

外国人労働者の大規模な受け入れを打開策として挙げる声もあるが、日本の勤労世代は2040年までに1400万人ほど減る。その全てを外国人労働者で補おうというのはどだい無理である。

そうでなくとも、外国人労働者に対する需要は日本以外の国々でも大きくなっており、既に介護職など専門性の高い職種は他国に競り負けるケースが報告されている。

もはや日本は就業者が減ることを前提として解決策を考えざるを得ないということである。

人口減少がビジネスに与える影響といえば、マーケットの縮小や人手不足だ。しかも、マーケットの縮小とは単に総人口が減るだけの話ではない。今後の日本は、実人数が減る以上に消費量が落ち込む「ダブルの縮小」に見舞われる。人口は少子高齢化しながら減っていくためだ。

国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計によれば、65歳以上の高齢者数だけは2042年まで増え続ける。高齢化率(総人口に占める高齢者の割合)は2050年代には38%程度にまで上昇する。

高齢になると、一般的に現役時代に比べて収入が少なくなり、いつまで続くか分からない老後生活への不安は募るばかりだ。医療や介護にどれだけ費用がかかるか予想がつかないため、気前よくお金を使うわけにはいかない。若い頃に比べて消費する量は減り、住宅取得やマイカーの買い替えといった「大きな買い物」の必要性も乏しくなる。

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