最新記事

ロシア

ロシア軍が使用するイラン製ドローン、米国製や日本製の部品が大量に使われていた

Ukraine Intelligence Finds American Parts Used In Iranian Drones: Report

2022年11月18日(金)17時56分
サニー・ピーター
ロシア軍のドローン

ウクライナへのインフラ攻撃に使用されたイラン製とみられるロシア軍のドローン(10月6日) Vitalii Hnidyi-Reuters

<ロシアがイランから提供を受けているとされるドローンだが、その部品は両国の「敵」であるはずの西側諸国のものばかりだった>

ウクライナへの侵攻において、ロシア軍は提供されたイラン製ドローンを使用している。だが、このドローンの部品の大半が、アメリカやその同盟国の企業が製造したものであることが明らかになったと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。

■【写真】ロシア軍のドローン「モハジェル6」の部品は米国製、日本製、イスラエル製......

これは、ウクライナ軍が撃墜した複数のイラン製ドローンの分析で明らかになったものだ。WSJによると、分析対象には、ウクライナ当局が飛行中にハッキングし、無傷で着陸させた「モハジェル6」も含まれている。

当局が入手したドローンの部品200個以上の約半数は、アメリカに拠点を置く企業が製造したもので、サーボモーターを含む3分の1近くは日本製だった。さらに、多くの電子部品がドイツ製で、監視と標的設定に使用される高解像度の望遠赤外線レンズはイスラエル企業の製品と同一のものと見られる。

この調査結果を受け、輸出規制を担う米商務省産業安全保障局は、イラン製ドローンに使用されている欧米製の部品について調査を開始したという。WSJによると、ウクライナ当局の調査結果は、首都キーウを拠点とする軍事契約や武器の評価に詳しい非営利団体「独立反汚職委員会」(NAKO)によって確認された。

同紙は治安当局者の話として、ドローンに使用されている部品の多くは輸出規制の対象外のため、オンラインで簡単に購入でき、他国を経由してイランに輸送することができると伝えている。こうした積み替えによる輸送は法律違反だが、現実的に防ぐのは困難だ。

中国製の「模倣」部品も使用か

米首都ワシントンのシンクタンク「科学国際安全保障研究所(ISIS)」が10月に発表したオープンソース情報に基づいた報告書によると、入手したイラン製ドローンには、オーストリア、ドイツ、英国、米国の企業が設計または製造した部品や付属品が含まれていた。

また、欧米製品を模倣した中国製の部品が、イラン製ドローンに使用されている可能性を示す報告もある。

ウクライナ軍の反攻と、軍事資源の枯渇という問題に直面しているロシアは、安価なイラン製ドローンを使い、ウクライナの重要な民間インフラに相次ぎ攻撃を仕掛けている。ロシアが配備しているモハジェル6や、「カミカゼ・ドローン」とも呼ばれる「シャヘド136」は、製造国を隠すために再塗装され、ロシアの名前が付けられているとの報道もある。

なおイランは、今年末までに地対地弾道ミサイルを含む武器約1000点を、ロシアに追加で供与する準備を進めているとされる。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

インドネシア議会委員会、金融サービス庁幹部の人事案

ワールド

英当局、子どものSNS利用禁止に実効性持たせる対応

ビジネス

ドル一時159円前半で年初来高値に接近、介入警戒で

ビジネス

午前の日経平均は反落、原油高を嫌気 下げ渋る場面も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 7
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中