最新記事

ロシア

ロシア警察、反戦詩人の肛門にダンベルで暴行

Russian Protester Raped by Police—Report

2022年9月28日(水)14時54分
ジェームズ・ビッケルトン

動員反対のデモ参加者を捕まえる警官(9月24日、モスクワ) REUTERS

<プーチン大統領の動員令に抗議する活動が各地で勢いを増すなか、活動家に対する警察の暴行は異常さを増すばかり>

モスクワで開催された反戦を訴える詩の朗読会に参加したロシアの反体制活動家が、自宅で逮捕され、警官にレイプされ、殴られたと報じられた。

ロシアの独立系新聞ノバヤ・ガゼタ・ヨーロッパによると、警察は9月26日にモスクワのアパートを急襲し、詩人のアルテム・カマルディン(31)と恋人のアレクサンドラ・ポポワを逮捕した。

ある関係者は同紙に、警官は「カマルディンをひどく殴り、ダンベルを肛門に突き刺した」と語った。

カマルディンは警察に謝罪を強要され、その模様を撮影した動画が、ソーシャルメディアプラットフォーム「テレグラム」にアップされた。

■動画を見る

動画の中で、カマルディンはこう語った。「昨日トリウムファルナヤ広場で言ったことについて、あらゆるロシア人の前で謝罪し、許しを請い、悔い改めます」その顔にははっきりとしたあざができていた。

ポポワは、警官に拷問されたと主張した。そしてカマルディンがレイプされるビデオを見せられ、おまえも集団でレイプするぞと脅されたという。

「私は瞬間接着剤だらけになった。警官は私の顔に接着剤でシールを貼りつけたり、接着剤で唇を貼りあわせようとした。髪の毛をひっこ抜き、蹴りを入れ、5人でレイプすると脅した」と彼女は語った。

相次ぐ活動家への暴行

ポポワはまた、アパートに保管していた600ドルが警察の襲撃の際に消えたと主張した。

カマルディンが参加した予備役動員に反対する詩の朗読会は、25日にモスクワのトリウムファルナヤ広場の有名な詩人ウラジーミル・マヤコフスキーの記念碑の近くで開催された。

カマルディンの弁護士レオニード・ソロビョフは、コメルサント紙に、依頼人が警察からレイプされ殴られたと主張していることを認めた。

反プーチンのパンクバンド、プッシー・ライオットはこの事件について、ツイッターに投稿した。「われわれの同志であるロシアの活動家アルテム・カマルディンは、たった今、ロシアの警察に拷問され、レイプされた」

「警官は、カマルディンを激しく殴り、肛門にダンベルを入れ、その一部始終を恋人に見せたそうだ。恋人は、5人の警官に殴られ、レイプすると脅された」

トリウムファルナヤ広場の詩の朗読会に関連して、26歳のニコライ・デイネコと21歳のイェゴル・シュトフバの2人の活動家も逮捕されたと、ロシア語の独立系ニュースメディア、メデューサは報じている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請1.8万件増の24.1万件、予想

ビジネス

米財務長官、FRBに利下げ求める

ビジネス

アングル:日銀、柔軟な政策対応の局面 米関税の不確

ビジネス

米人員削減、4月は前月比62%減 新規採用は低迷=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 10
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中