最新記事

感染症

急に集中力が落ちて、皮膚に病変──サル痘に感染した想像以上の過酷な日々

I Have Monkeypox

2022年8月17日(水)13時25分
マット・フォード(俳優、ビデオ作家)
マット・フォード

ロサンゼルスに住む筆者は6月にサル痘に感染した MATT FORD

<新型コロナから回復した矢先、今度はサル痘に。感染源はスキンシップ。「おまえはゲイだろう」とネットで中傷されても、伝えなくてはいけない理由>

6月17日の金曜日、電話を切ってすぐさま思った。「ああ、予定が台無しだ」

ある友人からの電話で、私もサル痘に感染している可能性があると言われた。驚いた。そして回復までに2週間かかると知って絶望した。楽しみにしていた旅が、これじゃできない。

私はニューヨークに飛んで、恒例のLGBTプライドの日にイベントをやる予定だった。7月4日の独立記念日の3連休も近づいていた。でも、痛みや特別な症状はなかった。今にして思えば、私はサル痘を甘くみていた。

ヨーロッパで、そしてアメリカでもサル痘の感染例が増えていると聞いたのは今年の4月か5月のこと。でも、特に気に掛けなかった。別世界の話のように思えた。

新型コロナウイルス感染症ほど深刻じゃないと、たぶん思っていた。あれほど感染力は強くないし、まだ感染者数も少なかったからだ。

私は2020年3月に、ニューヨークで新型コロナに感染した。幸いにして症状は軽かったが、すごくつらい経験をした。なにしろニューヨークは感染拡大の震源地。私は何カ月も、いわゆる在宅隔離を命じられた。

今年3月、私はロサンゼルスに引っ越した。そして6月半ばに、なぜか急に集中力が落ちた。同月17日には、皮膚の微妙な病変に気付いた。

そこへ友人から電話があり、サル痘に感染したらしいと言われた。サル痘の症状があり、既にカリフォルニア州公衆衛生局に連絡し、今は正式な診断を待っているという。

感染経路はスキンシップ

電話をしながら自分の皮膚の病変を見て、ああ自分も感染しているなと思った。翌日には目に見えて体調が悪くなった。インフルエンザにやられたような症状で、それが5日も続いた。発熱、咳、喉の痛み、悪寒、寝汗があった。

6月25日には公衆衛生局が、私の検体からサル痘ウイルスを検出したと伝えてきた。ああ、ロサンゼルス在住のある人とのスキンシップが原因だなと、私は確信した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン大統領、トランプ氏にクリスマスメッセージ=

ワールド

ローマ教皇レオ14世、初のクリスマス説教 ガザの惨

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 10
    【銘柄】「Switch 2」好調の任天堂にまさかの暗雲...…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 7
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 10
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中