最新記事

韓国

韓国では国民の3分の1がコロナに感染、若年層を中心に2回目感染も

2022年7月28日(木)16時30分
佐々木和義

韓国の新型コロナ感染者も、3月以降減少していたが、7月に入ると再び増加に転じている......(写真は2月) REUTERS/ Heo Ran

<韓国の新型コロナ新規感染者は、今年3月、60万人台に達した後、減少したが、7月に入ると増加に転じて、18日から3日連続で7万人台を記録した......>

韓国で新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っている。韓国内の1日当たり新規感染者は今年3月、60万人台に達した後、減少して5月半ばから1万人前後で推移してきた。韓国政府は規制を大幅に解除したが、7月に入ると増加に転じて、18日から3日連続で7万人台を記録した。

7月26日時点の累計感染者は1936万人余となり、人口の4割に迫っている。商談や会合などでは、半年前までワクチン接種を完了したかが挨拶代わりとなっていたが、最近はコロナ感染を経験したかが挨拶代わりになっている。韓国政府は海外からの入国者に対するPCR検査を再開した。

再感染者の52%は、29歳以下

韓国疾病管理庁は感染者の増加に加えて、若年層の再感染も注視している。同庁が国民の力のペク・ジョンホン議員に提出した資料によると、20年1月から22年7月9日までの感染者1830万6179人のうち、2回目の感染者は0.42パーセントにあたる7万7000人余で、3回目の感染者も108人いた。

再感染者の3分の1にあたる33.2%が18歳未満で3回目の感染者は半数近い51人が18歳未満だった。18歳未満に次いで再感染が多いのは18歳から29歳で、18歳未満と18歳から29歳を合わせた青少年が再感染者の52.4%を占めていた。再感染は年齢が上がるにつれて少なくなっていく。

再感染者の37.6%がワクチン未接種者と1回のみの完了者で、2回目接種完了者と3回目接種完了者もいずれも30パーセント台だった。また4回目の接種完了者も662人が再感染した。

青少年の再感染者割合が高い理由について、疾病管理庁のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は「若いほどワクチン接種率が低く、また、多く活動するため再感染に露出される」と分析する。

米メディアが報じた軍人を分析したデータによると、再感染者は1回目の感染者と比べて入院リスクは3倍以上、死亡リスクは2倍以上で肺や心臓に問題が発生するリスクが大きいという。

マスクを取ることを嫌って給食を食べない学生

人前でマスクを取ることを嫌う学生が増えている。10代の若者の間で「マギクン」という新語が誕生した。マスクと詐欺師を意味するサギクンを組み合わせた造語で、マスクを着用した顔と取った顔が詐欺レベルで違うという意味だ。

中学生や高校生、大学の1年生から3年生は入学時からマスク着用を義務付けられており、互いの素顔を見慣れていない。

マスクを取るのは給食時くらいだ。学校の食堂には間仕切りがあり、座席の間隔を空けて座るなど、向かい合って食べることはできないが、間仕切りの多くは透明アクリル板で互いの顔を見ることができるが、マスクを取らずに、端を引き上げてスプーンで口に流し込む学生やマスクを取ることを嫌って給食を食べない学生も少なくないという。

昼休みを友達と過ごすため、給食を受け取りながらも食べない学生もおり、受け取った給食は廃棄されることになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、米国の和平案を受領 トランプ氏と近く協

ワールド

トランプ氏、民主6議員を「反逆者」と非難 軍に違法

ビジネス

米9月中古住宅販売、1.2%増の410万戸 住宅金

ワールド

中ロ、ミサイル防衛と「戦略安定」巡り協議 協力強化
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中