最新記事

イギリス

英首相ジョンソン、ロックダウン中のパーティー参加認める 与党内から辞任求める声も

2022年1月13日(木)10時30分
英国のジョンソン首相

英国のジョンソン首相は12日、新型コロナウイルス対策として実施された2020年のロックダウン(都市封鎖)中に首相官邸で開かれたパーティーに参加したことを認め、「心から謝罪する」と表明した。写真はジョンソン首相。サードパーティ提供(2022年 ロイター)

英国のジョンソン首相は12日、新型コロナウイルス対策として実施された2020年のロックダウン(都市封鎖)中に首相官邸で開かれたパーティーに参加したことを認め、「心から謝罪する」と表明した。

野党は一斉に辞任を要求、身内の保守党からも辞任を求める声が出ている。

英放送局ITVによると、首相の個人秘書官であるマーティン・レイノルズ氏は20年5月20日、100人以上のスタッフに招待メールを送信し、夕方からのパーティーに酒を持ち寄り参加するよう呼び掛けた。

ジョンソン首相は議会で「規則を制定する人間が規則を適切に順守していないとして、私に対する人々の怒りを理解している」と述べた。

自身の行動を後悔しているとした上で、パーティーではなく、仕事のイベントだと思っていたと釈明。25分程度参加し、参加していたスタッフに謝意を伝えた後、仕事に戻ったと説明した。

ジョンソン首相の報道官は、「首相はパーティーの招待メールを見ていなかった」と記者団に語った。

身内からも辞任求める声

主要野党全ての党首はジョンソン首相の辞任を要求。

最大野党・労働党のスターマー党首は、国民はジョンソン首相がうそをついていると感じているとし、「パーティーは終わった」と述べ、ジョンソン首相は辞任すべきと主張。「数カ月にわたる偽りの後、全ての道が尽きた哀れな男の光景だ。パーティーに参加していたことに気が付かなかったという釈明はあまりにもばかげており、英国民に不快感を与える」と非難した。

閣僚らはソーシャルメディアで首相への支持を表明しているが、一部の議員は同調しておらず、スコットランドの保守党リーダーであるダグラス・ロス氏は与党内で最初に首相辞任を求める声を上げた。

ロス氏はスカイ・ニュースに「遺憾なことだが、首相はもはや地位を維持できないと言わざるを得ない」と語った。スカイは、ロス氏が首相不信任の書簡を提出する意向だと報じている。

不信任案投票実施には、議会の保守党議員360人中54人が、党の「1922年委員会」委員長に不信任の書簡を提出する必要がある。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米消費者信用リスク、Z世代中心に悪化 学生ローンが

ビジネス

米財務長官「ブラード氏と良い話し合い」、次期FRB

ワールド

米・カタール、防衛協力強化協定とりまとめ近い ルビ

ビジネス

TikTok巡り19日の首脳会談で最終合意=米財務
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 2
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがまさかの「お仕置き」!
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 7
    「この歩き方はおかしい?」幼い娘の様子に違和感...…
  • 8
    「なにこれ...」数カ月ぶりに帰宅した女性、本棚に出…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中