最新記事

新型コロナウイルス

バイデン政権が新型コロナ発生源究明へ再調査、武漢ウイルス研究所も対象

Senate Approves Amendment Blocking Funds to Wuhan Institute of Virology

2021年5月27日(木)18時59分
ジュリア・マーニン

「アメリカは引き続き志を同じくする世界中のパートナー国と共に、全面的で透明性の高い、科学的証拠に基づく国際調査に参加し、あらゆる関連データと証拠へのアクセスを提供するよう中国政府に求めていく」バイデンは声明でそう誓った。

バイデン政権はこれまで、人為的流出説が世論の主流にならないよう火消しに努め、政権スタッフらは個人的見解として「あり得ない」とも述べてきた。バイデンが流出説も含めた調査を指示したのはこれが初めてだ。

ホワイトハウスの新型コロナ対策顧問を務めるファウチは26日の公聴会で、パンデミックの発生源については、自分も大半の専門家と同様、「自然に生じたというシナリオが最も蓋然性が高いと考えているが、誰も100%の確信は持っていない」と述べた。

常習的な隠蔽体質

「多くの懸念があり、多くの憶測が飛び交っていて、誰も確かなことを知らない以上、完全な情報開示により、あらゆる情報が入手でき、精査できる状況で、徹底的に調査を行う必要があると私は考えている」と、ファウチは上院で語った。

ホワイトハウスのジェニファー・サキ報道官は26日、米政府は世界保健機関(WHO)が中国で新たな調査を行うことを支持すると述べた。ただし、「中国が重い腰を上げ、発生源特定に必要な情報へのアクセスを許可」しない限り、有効な調査はできないとも釘を刺した。

バイデンも、中国政府が国際調査への全面的な協力を拒否し続ける限り、確実な結論は出ない可能性が高いことはわかっている。「コロナ発生初期の数カ月の間に、われわれの調査官を現場に派遣できなかったことが、今後も発生源調査の足を引っ張り続けるだろう」と、声明でも述べている。

政権スタッフは依然として人為的流出説には懐疑的だ。中国がこれまでに国際社会で見せてきた数々の無責任な行動に照らせば、国際調査、特に今回のような大規模な調査への協力を拒否するのは、何かを隠すためというより、中国の常習的な対応と見るほうが妥当だ、というのである。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米オキシデンタル、化学部門をバークシャーに97億ド

ビジネス

米国株式市場・午前=S&P・ナスダック最高値更新、

ワールド

米政府機関閉鎖、GDPへの打撃となる可能性─財務長

ビジネス

米テスラ、第3四半期世界納入台数7%増 米で駆け込
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
特集:2025年の大谷翔平 二刀流の奇跡
2025年10月 7日号(9/30発売)

投手復帰のシーズンもプレーオフに進出。二刀流の復活劇をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 3
    「人類の起源」の定説が覆る大発見...100万年前の頭蓋骨から何が分かった?
  • 4
    イスラエルのおぞましい野望「ガザ再編」は「1本の論…
  • 5
    「元は恐竜だったのにね...」行動が「完全に人間化」…
  • 6
    1日1000人が「ミリオネア」に...でも豪邸もヨットも…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    女性兵士、花魁、ふんどし男......中国映画「731」が…
  • 9
    AI就職氷河期が米Z世代を直撃している
  • 10
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「航空機・…
  • 1
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外な国だった!
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    ウクライナにドローンを送り込むのはロシアだけでは…
  • 5
    こんな場面は子連れ客に気をつかうべき! 母親が「怒…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 8
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 9
    虫刺されに見える? 足首の「謎の灰色の傷」の中から…
  • 10
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中