最新記事

副反応

アストラゼネカ製ワクチンで健康な40代男性が血栓を発症、小腸の一部を失う

Healthy Man Loses Much of Small Intestine After Blood Clot From AstraZeneca Vaccine

2021年5月17日(月)15時20分
クリスティーナ・チャオ
アストラゼネカ製ワクチン

ヨーロッパでも血栓症リスクが物議を醸したアストラゼネカ製ワクチン Yves Herman-REUTERS

<アストラゼネカ製ワクチンの副反応で血栓ができるリスクはこれまで信じられてきたより高いのではないかと、医者たちは再検証を始めた>

43歳の健康な男性が、英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスのワクチン接種後に血栓を発症し、小腸の一部を失った。

ブリティッシュコロンビア州(カナダ)の小都市ラングレーに住むショーン・マルドゥーンは4月22日にアストラゼネカ製ワクチンの接種を受けた。その後、吐き気、頭痛、発熱、嘔吐などの症状があった、とカナダのCBCニュースは伝えている。

接種から2週間あまり経った5月8日、マルドゥーンは嘔吐物と便に血が混じっていることに気づき、救急医療施設に駆け込んだ。

マルドゥーンを診察した医師は、腹部に血栓を発見し、緊急手術を行った。そして、マルドゥーンに、オックスフォード大学がアストラゼネカと共同開発した新型コロナウクルスのワクチン接種による極めて稀で重篤な副反応が起きたと告げた。

手術では小腸を2メートル切除し、生涯にわたって後遺症が残ることになった。

カナダの保健当局は5月13日、ブリティッシュコロンビア州ではこれまでワクチン接種後に2人が血栓を発症しており、マルドゥーンはそのうちの1人であることを認めた。

接種前にもっと情報を

マルドゥーンと妻のタラは、ワクチン管理当局はアストラゼネカ製ワクチンに関連する潜在的なリスクを十分に教えてくれなかったと主張している。

カナダの放送局でタラは、夫とともにオックスフォード・アストラゼネカ製ワクチンを選んではいけないと世の人々に警告していると語った。「私たちの人生は変わってしまう」と、彼女は言う。「夫の回復には長い時間がかかり、多くの困難が待ち受けている気がする。小腸の半分を失ったのだから」

「私たちはワクチン反対派ではない。接種した後の副反応のこともみんなに知ってほしいだけだ。どうか真剣に受け止めて」とタラは付け加えた。

マルドゥーンはソーシャルメディアに投稿し、ワクチンを選ぶ前に「最悪のシナリオ」についてもっと情報を集めたほうがいいと、人々に勧めている。

「ワクチンの接種から17日後、私は小腸を2メートル以上切除する緊急手術を受ける羽目に陥った。巨大な血栓ができたからだ。2日後に2回目の手術を受け、さらに切除した。外科医には、とても危ないところだった、と言われた」と、マルドゥーンは書いた。「血栓のリスクのことは、ちょっとした話題になっていたが......それはめったに起きないことだと聞いていた」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港活動家の父親に有罪判決、娘の保険契約巡り基本法

ビジネス

エリオット、LSEG株大量取得か 経営改善へ協議と

ビジネス

中国1月自動車販売19.5%減、約2年ぶり減少幅 

ワールド

米下院、トランプ関税への異議申し立て禁止規定を否決
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 7
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 8
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中