最新記事

銃撃事件

アトランタのアジア系女性ら銃撃、犯人の動機は人種でなく性依存症だった?

Atlanta Suspect Says Motive Not Race, But Sex Addiction.

2021年3月18日(木)12時58分
ハレダ・ラーマン
アトランタ銃撃事件があったマッサージ店

事件が起きた3店舗のマッサージ店の1つ Chris Aluka Berry-REUTERS

<アジア系を狙ったヘイトクライムとみられたが、容疑者は人種的な動機ではないと供述>

米ジョージア州アトランタの3店舗のマッサージ店で3月16日に相次いで発生した銃撃事件は、アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)とみられていたが、警察の取り調べで容疑者が人種的な動機を否定していることが分かった。

容疑者はセックス依存症に悩んでおり、その「誘惑の場」を破壊しようとした可能性もあると、警察はみている。

警察は事件の数時間後、銃で8人を殺害した容疑で、ジョージア州ウッドストック在住の21歳のロバート・アーロン・ロングを逮捕した。ロングは抵抗しなかった。

事件で亡くなった8人のうち6人がアジア系の女性だったことから、アジア系を狙ったヘイトクライムとの見方が強まり、アジア系コミュニティーに衝撃が走った。

だが17日の記者会見で、捜査当局は現時点では犯行の動機は断定できないと発表した。

ジョージア州チェロキー郡のフランク・レイノルズ保安官は会見で、ロングは人種的な動機はなかったと供述しており、セックス依存症との関連が疑われると述べた。

「被疑者は何らかの問題、おそらくはセックス依存症を抱えていることをほのめかしており、過去に事件が起きた店のいずれかに足繁く通って散財していたのではないか、とわれわれは見ている」

webw210318-atlanta02.jpg
容疑者のロングはバプテスト教会の熱心な信徒だった Crisp County Sheriff's Office

「信仰にのめり込んでいた」

会見に同席した保安官事務所の広報担当ジェイ・ベイカー警部は、ロングは「犯行を認めている」と語った。

「保安官が述べたように、動機を断定するのは時期尚早だが、被疑者は人種的な動機ではないと主張している。被疑者は自分が抱える問題をセックス依存症とみなし、マッサージ店は自分のような者が頻繁に通うことが許される場だと思っていたようだ。彼にとってマッサージ店は、自分が消し去りたい欲望を駆り立てる誘惑の場だったのだろう。現時点ではそれが動機だとは断言できないが、被疑者はそう供述している」

ロングはジョージア州ミルトンのクラブアップル・ファースト・バプテスト教会に通っており、高校時代の同級生の話では「信仰にのめり込んでいた」という。

銃撃事件後、同教会は公式ホームページとソーシャルメディアの公式アカウントを閉鎖。教会幹部が「全ての関係者に対し、断腸の思い」を抱いているとの声明を出した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:現実路線に転じる英右派「リフォームUK」

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中