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WHO「世界のコロナ死者、もうすぐ週間10万人突破へ」 ワクチンの獲得競争に警鐘も

2021年1月19日(火)10時31分

世界保健機関(WHO)の緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は1月18日、世界の新型コロナウイルス感染症による週間の死者が「近く」10万人を突破する見通しとした。写真は2020年2月撮影(2021年 ロイター/Denis Balibouse)

世界保健機関(WHO)の緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は18日、世界の新型コロナウイルス感染症による週間の死者が「近く」10万人を突破する見通しとした。先週は9万3000人超だった。

地域別では米州の状況が深刻で、死者数が世界全体の約47%を占めると指摘。欧州では感染者および死者数が安定化の兆候を示しているものの、依然高止まりしているとした。

また、WHOのテドロス事務局長は、昨年には44カ国が、年初からは少なくとも12カ国が新型コロナワクチン確保に向けてワクチンメーカーと二者間協定を締結したと指摘。「ワクチンの囲い込みや協調性のない対応、社会・経済的な混乱の継続」を招き、新型コロナワクチンの公平な供給を目的とした国際的な枠組み「COVAX」の取り組みを遅らせる恐れがあるとの認識を示した。

各国のワクチンを巡る「自己優先的なアプローチ」は低所得国や脆弱な国をリスクにさらし、「パンデミック(世界的大流行)を長引かせかねない」と警鐘を鳴らした。

テドロス氏によると、これまでに高所得国49カ国で3900万回分のワクチン接種が行われた一方、低所得国では1カ国、25回分の接種にとどまっている。

また、WHOの高官は、COVAX向けの新型コロナワクチン確保に向け、米ファイザーと交渉を進めており、「非常に近く入手する見通し」と明らかにした。

[ロイター]


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