最新記事

バイデン政権

元通りのアメリカを目指すバイデンの閣僚候補

Progressives Cheer Joe Biden's First Round of Cabinet Picks: 'A Great First Step'

2020年11月25日(水)18時45分
ラムジー・タッチベリー

財務長官について、議会の多くの進歩派はエリザベス・ウォーレン上院議員(民主党、マサチューセッツ州)が選ばれることを望んでいたかもしれないが、ウォーレン自身もジャネット・イエレンを指名したバイデンに拍手を送った。承認されれば、オバマ政権下でFRB(米連邦準備理事会)初の女性議長になったイエレンは、初の女性財務長官になる。

「ジャネット・イエレンは財務長官としてまさに適任だ」と、ウォーレンは述べた。「最も成功したFRB議長の一人として、ウォール街の金融機関にも立ち向かい、ウェルズ・ファーゴ銀行に小口の顧客に対する不正営業の責任をとらせた」

移民を代弁するリーダー

「リボルビング・ドア・プロジェクト」「デマンド・プログレス」といったリベラル団体は、イエレンの起用を「進歩派の勝利」と位置付け、彼女は「正しい方向への大きな一歩を意味する存在だ」と語った。これらの団体は共同声明を出し、失業を減らすために赤字財政を支持し、気候変動に対処する政策を後押しし、銀行規制の強化を提唱し、ウェルズ・ファーゴの不正な営業慣行に「前例のない厳しい処分」を科したイエレンは、財務長官に適していると述べた。

「イエレンは銀行規制の厳格化を求め、ルールを破る相手には罰を与えることを恐れない人物であることを行動で示した。そのスタンスは、経済政策とは企業やウォール街ではなく一般の人々の利益を反映すべきであるという世論の大多数の意見と一致している」

移民問題を統括する国土安全保障省長官にバイデンが選んだのは、オバマ政権で同省の副長官を務めていたキューバ系アメリカ人弁護士アレハンドロ・マヨルカスだ。承認されれば、マヨカスは中南米系として初の国土安全保障省長官となる。

リベラル派の進歩派議員連盟で共同議長を務めるプラミラ・ジャヤパル下院議員(民主党、ワシントン州)は、この人選を「説得力のあるスマートな選択」と呼んだ。

マヨルカスは、移民活動家からも歓迎されている。

中南米系アメリカ人の政治団体「ラティーノ・ビクトリー」は、マヨルカスの指名は「バイデン・ハリス政権のあらゆるレベルで中南米系の権利を確保するための偉大な一歩になるだろう」という声明を出した。

「移民をアメリカの強みと見るリーダーが、ついに登場することになる」と、国立移民法センターのマリエレナ・ヒナカピー所長は付け加えた。

次期国連大使にリンダ・トーマスグリーンフィールドを選んだバイデンの選択は、党派を超えて支持された。トーマスグリーンフィールドは、オバマ政権とトランプ政権でアフリカ問題担当国務次官補を務めた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日銀総裁会見のポイント:利上げへの距離感探る、経済

ワールド

成長率予想を小幅上方修正、物価見通し維持 ガソリン

ワールド

タイレノールと自閉症の関連示す決定的証拠なし=ケネ

ワールド

米イーベイ、第4四半期利益見通しが市場予想下回る 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨の夜の急展開に涙
  • 4
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 5
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理…
  • 6
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 7
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 10
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 10
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 8
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 9
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中