最新記事

米選挙

【米下院選】陰謀論の「Qアノン」議員が続々誕生

Every QAnon Candidate to Win 2020 Election Race

2020年11月5日(木)16時10分
イワン・パーマー

トランプは「サタン崇拝の小児性愛者たちを追放するのに最適の大統領」と称賛していたグリーンも当選 REUTERS/Elijah Nouvelage

<大統領選と同時に開催された連邦議会・州議会選挙で、Qアノン信奉者数人がれっきとした政治家デビューを果たした>

米大統領選挙と同時に実施された連邦下院議員選挙で、陰謀論を唱える「QAnon(Qアノン)」を支持する複数の人物が当選を確実にした。これで遂に、Qアノン信奉者から正真正銘の「政治家」が誕生することになる。

ジョージア州第14選挙区での当選を確実にしたのは、マージョリー・テイラー・グリーン。過激な陰謀論のみならず、人種差別や反ユダヤ主義、イスラム嫌悪などにも支持を表明してきた、Qアノン信奉者の中で最も有名な人物のひとりだ。同選挙区での対抗馬だった民主党候補が9月に選挙戦から撤退したため、不戦勝となった。

彼女は2017年8月にフェイスブックに投稿した動画の中で、「今こそ、サタンを崇拝する小児性愛者たちを追放するまたとないチャンスだ。私たちにはそれができる大統領がいる」と述べていた。Qアノンはドナルド・トランプ米大統領が「ディープステート(アメリカを動かす影の政府)」やサタン崇拝の小児性愛者たちと密かに戦っていると主張している。

公用車にスローガンのステッカー

選挙活動中、グリーンに対しては、Qアノンへの支持やこれまでの人種差別的な発言についての質問が寄せられた。後にグリーンは、反ユダヤ主義に基づくとみられる過激な陰謀論から距離を置き、FOXニュースに対して、Qアノンについて独自に調べたところ「デマ情報」があったと述べ、「(Qアノンとは)別の道を行く」ことにしたと語っていた。

今回の選挙では、Qアノンの陰謀論を受け入れるか少なくとも否定しない候補者がほかにも数十人いたが、当選したのは数人だった。

そのひとりが、共和党のエリック・バーセル上院議員(現職)だ。バーセルは公用車に「#WWG1WGA」――Qアノンのスローガン「Where we go one, we go all(我々はひとつになる場所に共に向かう)の略――というステッカーを貼っていたことが物議を醸したが、なんとか再選を果たした。

バーセルは9月に、このステッカーを車に貼っていたことについて釈明。Qアノンが唱える「サタンを崇拝する小児性愛者たちの秘密結社」などの「過激な陰謀論」は支持していないが、「政治の腐敗を阻止し、政府に説明責任を求め、個人の自由を守る」など彼らが掲げる一部の主張は支持していると述べた。

同選挙区の民主党候補ジェフ・デマレイは、バーセルは「極右の常軌を逸した陰謀論」とつながりがあり、上院議員にふさわしくないと主張。「選挙で選ばれた人物が、公用車を使って有害な議論や情報をまき散らしている」と述べ、「そんな人物に、公職に就く資格はない」と主張した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、全世界に10%追加関税へ 最高裁の違法

ワールド

トランプ氏、全世界に10%追加関税へ 最高裁の違法

ワールド

米議会、イラン攻撃権限巡り来週採決も トランプ氏は

ワールド

今年の関税収入、違法判断受けても見通し変わらず 代
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由...「落葉帰根」派も「落地生根」派も
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 5
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 6
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 7
    ディープフェイクを超えた「AI汚染」の脅威──中国発…
  • 8
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 9
    「窓の外を見てください」パイロットも思わず呼びか…
  • 10
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 5
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 6
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 7
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 8
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 9
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 10
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中