最新記事

2020米大統領選

「ペンシルバニアで多くの黒人が棄権しない限りトランプは勝てない」

Rove Says Trump Needs African-American Turnout to Be Low to Win

2020年10月29日(木)17時30分
ジェイソン・レモン

9月末、期日前投票を行うために並ぶ黒人有権者(ペンシルバニア州フィラデルフィア) Rachel Wisniewski-REUTERS

<2016年の大逆転劇を支えたのは民主党支持者が多い黒人の投票率の低さだった。今年も同じシナリオを望むのは厳しそうだ>

米大統領選は投票日の11月3日に向け、最終盤戦に突入した。支持率で民主党のジョー・バイデン候補にリードされる共和党のドナルド・トランプ大統領は、「2016年の大統領選の大逆転劇よ、もう一度」とばかり、接戦が予想される激戦州を精力的に遊説中だ。

その激戦州のなかでも、前回の大統領選でトランプの勝利を決定づけたペンシルベニア州が今回も勝敗の鍵を握ると見られている。

トランプがペンシルベニア州で勝利するには、同州最大の都市フィラデルフィアで黒人有権者の多くが棄権する必要があると、ブッシュ父子の選挙参謀を務めた政治コンサルタントのカール・ローブは言う。

米政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が算出した世論調査の平均を見ると、今のところペンシルベニア州でもバイデンがトランプをリードしている。

2016年の大統領選では、重要な激戦州をはじめ全米の多くの州で、黒人の投票率が2012年より低かった。トランプが僅差で民主党のヒラリー・クリントンに勝てたのは、そのおかげだとアナリストらは指摘する。ちなみにバラク・オバマ前大統領は2008年と2012年のいずれの大統領選でもペンシルベニア州で勝利している。

共和党支持の黒人はわずか

黒人有権者は民主党の重要な支持基盤とみなされている。民主党の予備選でバイデンが勝てたのも、黒人票をつかめたからだ。ローブによれば、トランプがペンシルベニア州で勝つには、フィラデルフィアで黒人の投票率が「2016年レベル」にとどまることが必須だ。

トランプがペンシルベニア州で勝つには「3つの条件」が必要だと、ローブはFOXニュースの番組で28日に語った。「フィラデルフィア、特に黒人住民の多い地域で、黒人の投票率が低いこと、2016年にトランプが勝った州内の選挙区を今回も押さえること、そしてそれらの選挙区でバイデンに大きく差をつけることだ」

コーネル大学ローパー世論調査センターの調べでは、2000年以降、黒人有権者の91%が民主党の大統領候補に投票してきた。共和党の候補に投票した黒人は8%だけで、2016年にクリントンが敗北したのは多数の黒人有権者が棄権したためだと見られている。

「オハイオ、ペンシルベニア、ノースカロライナ各州、そして特にウィスコンシン州では、2016年に黒人の投票率が低く、加えて多くの場合、白人の投票率が上がる傾向があった。そのため2012年における(民主党の)優位が2016年には失われるか、逆に(共和党に)有利に働いた」と、ブルッキングス研究所は米国勢調査局のデータを基に分析している。

ピュー・リサーチセンターによれば、全米規模でも2012年の大統領選では67%だった黒人の投票率は2016年には60%に低下していた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米、45日以内にトランプ関税還付システム準備 徴収

ワールド

米、中東の原油輸送に200億ドルの保険提供へ ホル

ビジネス

米国株式市場=続落、ダウ453ドル安 原油高と雇用

ビジネス

日米閣僚が会談、関税合意踏まえた経済連携強化を再確
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だったはずの中国が、不気味なまでに静かな理由
  • 2
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示さない
  • 3
    10歳少女がライオンに激しく襲われる...中国の動物園で撮影された「恐怖の瞬間」映像にネット震撼
  • 4
    「みんな一斉に手を挙げて...」中国の航空会社のフラ…
  • 5
    「巨大な水柱に飲み込まれる...」米海軍がインド洋で…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 9
    アルツハイマーを予防する「特効薬」の正体とは? …
  • 10
    「ハリポタ俳優で終わりたくない」...ハリー・メリン…
  • 1
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 2
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズった理由
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 5
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中