最新記事

2020米大統領選

米大統領選、3日は各州の投票所に州兵部隊が派遣され厳戒態勢に

Wisconsin Joins List of States Deploying National Guard Units on Election Day

2020年10月30日(金)13時20分
ジェフリー・マーティン

ケンタッキー州ルイビルでデモに備える州兵部隊(今年5月) Bryan Woolston-REUTERS

<選挙結果が判明後の混乱に備えるほか、投票システムへのハッキングに備えるサイバー部隊も投入される>

米ウィスコンシン州のトニー・エバーズ知事は29日、米大統領選投票日の11月3日、州兵を動員して投票所運営を支援することを明らかにした。

共和党現職のドナルド・トランプ大統領と民主党のジョー・バイデン前副大統領が激しく競っている今回の大統領選をめぐって、警察関係者は暴動も含む何らかの混乱が生じる可能性があるという懸念を示している。このため、全米各州で州兵部隊が動員されて、デモ行動に備えるほか、サイバーセキュリティー対策にあたったり、選挙管理の支援を行ったりすることになっている。

ウィスコンシン州知事室からの報道発表によると、同州では約400人の州兵を選挙管理の支援に動員する。新型コロナウイルスへの感染拡大によって、同州では主に高齢の住民に頼っている選挙管理の作業が深刻な人手不足に陥っている。

エバーズ知事は「新型コロナの感染者数が州全体で20万人を超える現状で、投票が円滑に行われるためには、有権者と選挙管理の双方に州兵の支援が必要だ」と述べている。

この他、ケンタッキー州でも投票所の選挙管理の支援に州兵が動員されることになっている。

投票システムのハッキングに警戒

また州兵のサイバーセキュリティー専門部隊が、コロラド州をはじめ、いくつかの州で投票システムへのハッキングの警戒にあたる。コロラド州のジャレッド・ポリス知事は10月、州兵のサイバー部隊10名に対して、ハッカーによる有権者の個人情報の漏洩に警戒する知事令を出した。

デラウェア州でも、州兵サイバー部隊20名が選挙データベースのハッキング防止策を州選挙管理担当と協力して策定している。このほか、イリノイ州、ペンシルベニア州、テネシー州、ワシントン州でも州兵が選挙システム関連のサイバーセキュリティー強化にあたっている。

また暴動など不測の事態が生じた場合に備えて、アラバマ州では州兵部隊が派遣される。27日に公表された声明によると、アラバマ州兵の選任部隊が「地元警察と協力して支援を行う」という。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ウォン安と不動産価格上昇、過剰流動性だけが背景では

ビジネス

12月の豪消費者信頼感指数、悲観論が再び優勢 物価

ビジネス

ベトナムEVビンファスト、対インドネシア投資拡大へ

ワールド

EUメルコスルFTAに暗雲、仏伊が最終採決延期で結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 8
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中