最新記事

韓国

ビルボードHOT100首位獲得したBTS、韓国政府は兵役免除させるのか

2020年9月13日(日)18時40分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

ビルボード1位の経済効果とは

これまでは兵役法第60条第2項によって、研修機関で決められた過程を履修中の者、体育分野での優秀者などに限って入隊を最大30歳まで遅らせることができた。しかし、これに大衆文化の功労者は含まれていなかったが、今回の改正法案ではこれを含むこととなり、BTS(防弾少年団)のメンバーも対象となる。ジョン・ヨンギ議員は、引き続き世界で韓国の存在感を見せ続けているeスポーツの優勝者など新しいジャンルの功労者も含めるよう論議を続けることを発表した。

韓国政府が法改正し、入隊時期を延期してでもBTS(防弾少年団)に活動を続けて欲しい理由として挙げられるのは、ずばり彼らのもたらす経済効果だ。今月8日韓国文化体育観光省と、韓国文化観光研究院が合同で分析した結果の発表が行われた。BTS(防弾少年団)のビルボード1位獲得による経済的波及効果は、なんと1兆7千億ウォン(約1520億円)にも上るという。これは、所属事務所売り上げ規模と関税庁輸出入貿易統計、さらにGoogleトレンドによる検索量などを総合した結果などから割り出す方法で出された数字である。

世界的にコロナ・ウィルスの感染が落ち着きだすと、各国から観光客が戻ってくるとともに、BTS(防弾少年団)もまた世界を舞台に更なる活躍が期待されている。しかし、このタイミングでメンバーが次々と入隊してしまっては困るというのが本音だろう。

兵役免除には国威発揚の実績が必要

しかし、BTS(防弾少年団)のファンたちからすると、たとえ入隊延期が決まったとしても、2年後にはまた同じことの繰り返しである。いっそのこと、彼らを兵役免除にはできないのだろうか。

これまで、オリンピックの韓国代表メダリストや、アジア大会の優勝選手たちが「代替服務制度」と呼ばれる恩恵の対象になってきた。これは、たった4週間の訓練を受ければ軍生活をしなくていい、いわば兵役免除の待遇だ。

現在の兵役法によると、芸術分野対象者の場合、「政府指定国際コンクールなどで1~2位に入賞する」「国内大会1位になる」などで代替服務制度を受けることが可能であると記されている。しかし、芸術分野対象者とは、国楽やパンソリなど伝統的な'純粋芸術家'であり、アイドルや歌手など大衆芸術である芸能人は、そこに含まれていない。BTS(防弾少年団)は、2018年にアイドルで初めて国から花冠文化勲章を受章しており、このときもすでにファン達の間では軍隊免除の恩恵対象になるのではないかと話題になっていた。

韓国男子として生まれれば、生まれながらにして背負った宿命のような兵役問題。アイドルと言えども、その宿命には変わりはない。ファン達にとって兵役中の1年半は、入隊していった恋人を待つように長い長い試練の期間となるだろう。

BTS(防弾少年団)の入隊に関しては、ジンの誕生日を迎えるまでの、ここ数か月以内に何らかの発表があるとは思うが、どういう結果になろうと彼らが素晴らしい功績を残したことには変わりなく、これからのさらなる活躍に期待したい。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米PPI、12月は前月比0.5%上昇 5カ月ぶりの

ワールド

FRBの利下げ見送りは失策、ウォーシュ氏は議長に適

ワールド

イラン外相「公正なら」米と協議も、防衛問題には難色

ビジネス

株下落・ドル上昇、FRB議長後任にウォーシュ氏指名
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵士供給に悩むロシアが行う「外道行為」の実態
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 5
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 6
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 7
    麻薬中毒が「アメリカ文化」...グリーンランド人が投…
  • 8
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 9
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 10
    「外国人価格」で日本社会が失うもの──インバウンド…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中