最新記事

韓国社会

韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

2020年8月11日(火)21時05分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

先月15日に「シューススTV」でPPLが行われていると報道されると、ハン・へヨン氏は「直ちに確認し、企業から広告費を貰っていた動画に関しては'有料広告含む'の表示を行う」とし、翌日には本人の謝罪動画もアップされた。

音源女王と呼ばれるダビチも

newsweek_20200811_204858.jpg

インスタのフォロワーが200万人、ユーチューブチャンネル登録が66万人というダビチのカン・ミンギョンがユーチューブで取り上げたブラジャーはPPLだった。강민경 / YouTube

もう1つは、音源女王とも呼ばれるK-POPの人気女性デュオ「ダビチ」のカン・ミンギョン氏が開設したユーチューブチャンネルだ。こちらも65万人を超える登録者数をもち、彼女の日常や人柄が垣間見られると人気があった。ところが、愛用品紹介などの中に企業からのPPL案件が含まれていながら、それを表示せずに配した動画が発覚してしまった。

カン・ミンギョン氏側は、映像画面にリンクボタンが表示されるため、PPLが含まれていると表示したと同様だと主張し、さらに、一番問題視された「おすすめ下着を紹介する動画」については、「動画制作している途中に案件の話をいただいた。始めは本当に愛用品として紹介していたが、その後企業から連絡を貰った」としながらも、問題発覚数日後には謝罪の文章を公開した。

テレビにはないユーチューブの良さの一つは、番組の背後に見え隠れするスポンサー企業の存在を気にせず、クリエーターが自由に商品を取り上げてレビューできる部分だ。しかし、それも崩れてしまうのだろうか。

テレビ業界の悪行がユーチューブにも

また、よく韓国テレビ業界の悪行のひとつに挙げられる「悪魔編集」と呼ばれる事例も、最近ユーチューブで増え始めている。

韓国のテレビ業界でよくいわれる「悪魔編集」とは、インタビューなどのある一部分だけを切り取って、出演者を不利なように編集することを言う。編集によってイメージは良くも悪くもなるため、バラエティやオーディション番組などで、よく視聴者から制作側へ指摘や批判されることがある。

ところが、最近ユーチューブでもこの単語を見かけることが多くなった。最近ではプロバスケットチーム・ヒョンデモビースに所属するイ・ジョンヒョン選手がその餌食になったと注目を集めた。スポーツ専門ユーチューブチャンネルに出演したイ・ジョンヒョン選手は、発言を不利に編集され、4年前の新人ドラフトにて、あたかもそのチームに嫌々入ったような印象を受ける編集にされてしまった。前後の映像をカットし、ウケ狙いで口走った部分のみ強調したものを放送されたからだ。イ・ジョンヒョン選手は、それでも誤解を与えるようなひと言を言ったことは事実であるとし、「すべて私が悪かった」と謝罪している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

IMF、日本の財政措置を評価 財政赤字への影響は限

ワールド

プーチン氏が元スパイ暗殺作戦承認、英の調査委が結論

ワールド

プーチン氏、インドを国賓訪問 モディ氏と貿易やエネ

ビジネス

米製造業新規受注、9月は前月比0.2%増 関税影響
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 9
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 10
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中