最新記事

事件

韓国高裁、世界最大の児童ポルノサイトをダークウェブで運営した男を擁護? 米検察の引き渡し要請を却下

2020年7月21日(火)11時55分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

米国に引き渡されると懲役数十年の可能性

韓国の「犯罪人引渡し条約」によると、韓国領域にいる犯罪人が韓国と請求国の法律によって死刑、無期、1年以上の懲役に相当する罪を犯した場合、請求国に引き渡すことができることを規定している。

ただし、「公訴時効が完成された場合」「その犯罪について韓国の裁判所で裁判が遂行中もしくは確定された場合」「犯罪人が宗教、政治的信念などの理由で処罰される心配があると認められた場合」などには引き渡しを拒否できる。さらに、「犯罪人が韓国国籍である場合」「大韓民国領域で起こした犯行の場合」なども、任意的引き渡し拒絶事由として拒否が可能だ。

余談だが、「犯罪人引渡し条約」と言えば、日本はたった2カ国としか条約を締結していないのはご存じだろうか。その2カ国とは、アメリカと韓国である。取引国が極端に少ない理由は大きく2つあると言われている。1つは「日本は島国であり、海外に逃げたり、犯罪者が日本へ逃亡してきたりしても、出入国管理体制がしっかりしている為水際で出入国を食い止めることができる」そして2つ目は「死刑制度が残っている為、犯罪者を引き渡すと死刑にされる可能性がある為」である。

さて、ソン・ジョンウだが、韓国ではたった1年半の刑期で済んだものの、もしもアメリカに引き渡されて裁判で有罪になれば数十年は刑務所の中にいることと言われる。そのことを察してか、あの手この手でアメリカ行きを阻止しようとしていたようだ。

父親が起訴、米国引き渡しの阻止狙う?

ソン・ジョンウの父親は、アメリカからの引き渡し要請があった1カ月後、息子が自分の名前を勝手に利用して通帳を作ったことや、サイトの運営で手に入れた金についてマネーロンダリングしたなどの犯罪を警察に通報し、少しでも刑期を追加してアメリカに行かせないようにした疑いがかかっている。この容疑について今月17日には、父親が警察に出頭し事情聴取が行われた。

さらにソン・ジョンウは、2審の審理が終わった2019年4月16日の翌日、婚姻届けを提出している。実は、1審で3年の刑期が言い渡されていたのだが、2審では1年6カ月に減刑されている。その理由は「2019年4月17日婚姻届書を提出し、扶養する家族が生じた為」と言われている。刑が決定し宣告されるまでの間に急遽提出した婚姻届書が量刑に勘案されたとし、今韓国ではこの結婚の真偽までが疑われだしている。


【話題の記事】
・感染防止「総力挙げないとNYの二の舞」=東大・児玉氏
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都、21日の新型コロナ新規感染230人程度 13日連続で100人以上続く
・インドネシア、地元TV局スタッフが殴打・刺殺され遺体放置 謎だらけの事件にメディア騒然

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

欧州7カ国、デンマーク支持表明 トランプ氏がグリー

ワールド

有志連合のウクライナ安全保障、拘束力ある約束含む 

ビジネス

中国人民銀、今年預金準備率と金利引き下げへ 適度に

ワールド

スイスのバー火災、19年以降安全点検なし 首長が謝
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...強さを解放する鍵は「緊張」にあった
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 6
    スペイン首相、アメリカのベネズエラ攻撃を「国際法…
  • 7
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 8
    砂漠化率77%...中国の「最新技術」はモンゴルの遊牧…
  • 9
    野菜売り場は「必ず入り口付近」のスーパーマーケッ…
  • 10
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 3
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中