最新記事

感染症

アフリカで進行する「静かな感染拡大」 深刻な新型コロナのデータ不足

2020年7月12日(日)12時30分

国連機関であるWHOが協力を強制することはできず、慎重な舵取りが欠かせなくなっている。4月末、東アフリカの小国ブルンジにおいてウイルス封じ込めの措置が不十分であることについてWHO当局者が懸念を表明したところ、5月12日、同国におけるWHOのトップ及び3人の専門家が説明なしに国外退去処分となってしまった。

ブルンジは、3月にいち早く国境閉鎖に踏み切ったアフリカ諸国の1つであり、当初はそれがウイルスのまん延を抑えたように思われた。だが、ある医療事業者が匿名を条件に語ったところでは、5月20日の総選挙に向けた準備として集会が重ねられるなかで感染を疑うケースが増加していったという。

ブルンジのピエール・ンクルンジザ大統領は6月上旬に死亡し、新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)がささやかれている。政府の声明によれば、心臓発作が死因であるとされている。ある救急搬送関係者はロイターに対し、5月21日にデニス・ブクミ大統領夫人をケニアに搬送したと話しているが、彼女が新型コロナウイルスの治療を求めたとするケニア側メディアの報道については明言しなかった。大統領一家の広報担当者はコメントを拒んでいる。

エバリステ・ヌダイシミエ新大統領は、ウイルス感染の中心地と疑われる地域で住民に対する一斉検査を行うことも含め、パンデミック(世界的な大流行)への対応策を約束している。

アフリカでWHOとの関係が悪化しているもう1つの国が赤道ギニアだ。5月末、赤道ギニア政府はWHOが感染者数を水増ししていると非難し、WHO代表者を解任するよう要求した。それ以来、同国はWHOに対してデータを提供していない。WHOは「データをめぐる誤解」があったとしているが、データの捏造(ねつぞう)については否定している。

この対立について赤道ギニアのミトハ・オンドオ・アイェカバ保健副大臣に繰り返しコメントを求めたが、回答は得られなかった。中央アフリカに位置する赤道ギニアは、アフリカCDCに対しては定期的に最新情報を提供し続けており、それによれば、感染者数は3071人、死者は51人となっている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送フーシ派がイスラエル攻撃、イエメンの親イラン武

ワールド

再送-UAEのアブダビで5人負傷、火災も発生 ミサ

ワールド

タイ新政権、来週発足へ アヌティン首相が表明 

ビジネス

中国の大手国有銀3行、25年の利益ほぼ横ばい 不動
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?...「単なるホラー作品とは違う」「あの大作も顔負け」
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 6
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ウィリアム皇太子が軍服姿で部隊訪問...「前線任務」…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    「酷すぎる...」ショッピングモールのゴミ箱で「まさ…
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 9
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 10
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中