最新記事

国家安全法

香港で事業行う米企業、9割が国家安全法に懸念 3割は事業移転も検討

2020年7月13日(月)12時03分

米国商工会議所が公表した調査では、香港で事業を展開する米企業の9割近くが中国が制定した香港国家安全維持法(国安法)を懸念し、約3分の1が香港からの資産や事業の移転を検討していることが分かった。香港で2019年6月撮影(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

米国商工会議所が13日に公表した調査では、香港で事業を展開する米企業の9割近くが中国が制定した香港国家安全維持法(国安法)を懸念し、約3分の1が香港からの資産や事業の移転を検討していることが分かった。

調査は7月6─9日に実施。米国商工会議所の183社(約15%)の会員から回答を得た。

調査では、国安法を「ある程度」懸念しているとの回答は36.6%、「非常に」懸念しているとの回答は51%だった。

また、国安法の内容がまだ公表されていなかった1カ月前よりも現在の方が懸念を強めているとの回答は約70%に上った。

国安法は、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託を犯罪行為と定め、最高刑として終身刑を科す内容。6月30日午後11時の施行と同時に公表された。

調査では、米企業の約65%が「国安法の範囲と執行における曖昧さ」を懸念に上げ、約61%が香港の司法制度の独立性に懸念を示した。

また、約半数が世界的金融センターとしての香港の地位と、23年前の返還時に香港が中国から約束された「高度な自治」の後退に懸念を示した。

このほか、データの安全性、人材流出、外国政府による報復的措置も主な懸念に上がった。

香港から中国本土への容疑者引き渡しについては、46%が「ゲームチェンジャー」とみる一方、17%はそうではないと回答した。

国安法について、約49%が自社のビジネスに悪影響を及ぼすとみる一方、13%は良い影響をもたらすと回答。

中長期的に香港からの資本や資産、事業の移転を検討していると回答した企業は30%、短期的にこれらを検討している企業は5%だった。

半数以上が香港での生活・勤務に対する安心感が低下していると回答。また、約半数が香港を離れることを個人的に検討しているとした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・中国・長江流域、豪雨で氾濫警報 三峡ダムは警戒水位3.5m超える
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・国家安全法成立で香港民主化団体を脱退した「女神」周庭の別れの言葉
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200721issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月21日号(7月14日発売)は「台湾の力量」特集。コロナ対策で世界を驚かせ、中国の圧力に孤軍奮闘。外交・ITで存在感を増す台湾の実力と展望は? PLUS デジタル担当大臣オードリー・タンの真価。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港紙創業者に懲役20年、国安法裁判 国際社会は強

ビジネス

中国の証取、優良上場企業のリファイナンス支援 審査

ビジネス

欧州、ユーロの国際的役割拡大に備えを=オーストリア

ワールド

キューバの燃料事情は「危機的」とロシア、米の締め付
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 2
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 3
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 4
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 8
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 9
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 10
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 8
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 9
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中