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医療米国立衛生研、抗マラリア薬の新型コロナウイルス臨床試験開始
米国立衛生研究所(NIH)は、既存の抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを新型コロナウイルス感染症の治療に使う臨床試験の開始を発表した。米ミネアポリスのミネソタ大学で3月19日撮影(2020年 ロイター/Craig Lassig)
米国立衛生研究所(NIH)は9日、既存の抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを新型コロナウイルス感染症の治療に使う臨床試験の開始を発表した。国内の医師が最近、治療効果の科学的根拠が確認されるのを待たず、治療に使用していることを相次ぎ、明らかにしていた。
ヒドロキシクロロキンはトランプ米大統領が新型コロナへの強力な武器になり得ると主張。米国で流行が急激に広がる中で、新型コロナ治療での有効性や安全性が確認されないまま、先行的な使用例が急増している。
NIHの臨床試験は傘下の国立心肺血液研究所(NHLBI)が行う。同研究所の責任者は「実験室では、ヒドロキシクロロキンは新型コロナへの治療効果が期待できることを示している。実際の患者に対しては小規模な試験で、効果がある可能性を示唆する暫定的な報告が得られている」と述べた。
同薬は失明や心臓疾患の副作用を起こす可能性が指摘されている。新型コロナの治療薬としては未承認だが、米食品医薬品局(FDA)は医師の判断による緊急使用は認めている。
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