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ドイツ

ドイツ保健省、最悪の場合ロックダウン2年の可能性も

2020年3月18日(水)18時00分
モーゲンスタン陽子

コロナパーティーやめて!

先週、国民の70%がいずれ感染するだろうという見解をメルケル首相が発表したが、国民の大部分はこれを冷静に受け止めているようだ。多くの企業がすでに自宅勤務にシフトし、国民も自宅待機を受け入れている。パニックは起きていないが、逆に、事態を真面目に受け取らない若者たちが問題を引き起こしているようだ。

飲食施設などの閉鎖が決定される前の先週末は、人混みを避けるよう奨励されていたにもかかわらず、街は人であふれていた。「夜遊びの最後のチャンスかも」という焦りもあったようだ。また、クラブへ行くかわりに自宅に集まる「コロナパーティー」も流行り始めている。RKIもコロナパーティーを控えるよう呼びかけている。

国外で高齢者優遇措置をとるドイツ大手小売チェーン、なぜ国内で躊躇?

症状が悪化しないのをいいことに勝手な行動をして自分が感染するのはいいが、若者のこうした行動は別の年齢層を危険にさらすことにもなる。症状が悪化しやすい年齢層や、疾患を持つ人々を守るため、各国の小売店が優遇措置を取りはじめている。例えばオーストラリアのウールワースでは、朝の7時から8時までを60歳以上専用とする店舗が現れた。

しかしながら、ドイツ通信社のアンケートによると、ドイツの大手小売チェーンは軒並みこのような措置に消極的なようだ(17日現在)。おもしろいのは、ドイツのディスカウントストア大手リードゥルが北アイルランドで、同じく大手スーパーのレヴェがオーストリアで、同様の高齢者優遇措置をとっているにもかかわらず、本国内で実行しないことだ。その理由は明らかにされていない。

イギリスには65歳以上に基礎衛生用品を詰めたパッケージを無料配布している薬局やスーパーもいくつかあるようだ。

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アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

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