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感染症対策

イタリア、移動制限を全国に拡大 新型コロナウイルス封じ込めに全力

2020年3月10日(火)09時51分

イタリアのコンテ首相は、新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めに向け、国内全土で移動を制限すると発表した。写真はベネチアのサンマルコ広場で撮影(2020年 ロイター/Manuel Silvestri)

イタリアのコンテ首相は9日、新型コロナウイルスの感染拡大封じ込めに向け、国内全土で移動を制限すると発表した。

死者の急増を受け、2日前に北部の大部分に導入した移動制限措置ではもはや不十分だと指摘。感染拡大を阻止するため、国民全体が犠牲を払う必要があると訴えた。

記者団に対し、「現在の正しい決断は、自宅で過ごすことだ。イタリアの将来はわれわれの手中にある。その手にはこれまでにないほどの重い責任が求められている」と語った。

移動制限が国内全土に拡大されたことで、イタリア国民約6000万人が、仕事や健康上の理由がある場合や緊急事態を除いて4月3日まで移動を制限される。先週に3月15日までとしていた学校の休校措置も延長される。

イタリアでは国内で感染が確認された2月21日以降、被害が急速に深刻化。感染者数は約9172人、死者は463人に上り、医療システムに大きな負担がかかっている。

コンテ首相は、野外でのイベントも含めて全ての集会を禁止するとし、サッカーのセリエAなど全てのスポーツイベントも中止されると発表した。

[ローマ 9日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

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