最新記事

感染症

韓国、8日の新型コロナウイルス感染は過去10日で最低に 文在寅「安定局面に入る可能性」

2020年3月9日(月)19時20分

韓国の丁世均(チョン・セギュン)首相は9日、国内での新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しつつあることから、危機の「転換期」に近付いているとの期待を示した。写真は大邱で検疫作業にあたる韓国軍車両、8日撮影。(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9日、国内の新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍化しつつあることから、このままいけば「安定局面」に入る可能性があるとの見方を示した。丁世均(チョン・セギュン)首相も危機の「転換期」に近付いているとの期待を示した。ただ、保健当局者は感染のピークを過ぎたと判断するのは時期尚早と指摘している。

韓国疾病予防管理局(KCDC)の9日の発表によると、国内の新型コロナウイルス感染者は165人増え、累計7478人。感染者の増加数は過去11日間で最低となった。死者は1人増え、51人。

在韓米軍では新たに1人の感染が確認され、感染者は8人となった。

丁首相は、集団感染が起きた南東部の大邱(テグ)市からソウルに戻る前に「私はまだ極めて慎重だが、近い将来に転換期に達するという期待がある」と語った。

保健当局によると、大邱市の教会の信者約20万人への検査がほぼ終了する中、新たな感染者は減りつつある。

ただ、金剛立・保健福祉次官は、より小規模なクラスター(集団)で新たな感染が続いており、危機が終わったと判断するのは時期尚早だと指摘した。

同次官は、ブリーフィングで「大邱や近隣の地域でまだ多くの患者がでている。拡大ペースはそれほど急速ではないものの、散発的な感染が他の地域で続いている」と語った。

その上で「今こそ、確実に感染例を減少させるために全力を尽くす時だ」と強調した。

*内容を追加しました。

[ソウル 9日 ]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルス感染症はいつ、どう終息するのか|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
・米、新型コロナウイルスによる死者19人に 感染者21人増でNY州が非常事態宣言
・韓国、新型コロナウイルス感染拡大の元凶? 信者24万人の「新天地イエス教団」とは


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症VS人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪GDP、第3四半期は前年比+2.1% 2年ぶりの

ビジネス

豪GDP、第3四半期は前年比+2.1% 2年ぶりの

ワールド

インドのサービスPMI、11月は59.8に上昇 輸

ワールド

タイCPI、11月は前年比0.49%下落 8カ月連
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 2
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 5
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 9
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 10
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 3
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中