最新記事

クルーズ船

米クルーズ船「グランド・プリンセス」、オークランドに到着 乗客は2週間隔離へ

2020年3月10日(火)10時47分

新型コロナウイルスの感染者が確認され、米カリフォルニア州サンフランシスコ沖で停泊していたクルーズ船「グランド・プリンセス」が9日、同州のオークランド港に入港した(2020年 ロイター/KATE MUNSCH)

新型コロナウイルスの感染者が確認され、米カリフォルニア州サンフランシスコ沖で停泊していたクルーズ船「グランド・プリンセス」が9日、同州のオークランド港に着岸した。

乗客約2400人は9日から下船を始めた。緊急治療が必要な乗客は病院に搬送、一般の乗客に関しては検疫施設で2週間にわたり隔離、経過観察する。

カリフォルニア州の住民はサクラメント近郊とサンディエゴの施設に、他の州に住む人は、テキサス州とジョージア州の施設に、それぞれ収容される。外国人の乗客は、チャーター機などを手配し、帰国させる方針。

乗員約1100人については、緊急性がある場合を除き船内にとどまる。船は乗客を降ろした後、オークランド港を出港し、サンフランシスコ湾の外で乗員を2週間隔離する。

グランド・プリンセスでは、症状が出ている約45人にウイルス検査を行った結果、21人がウイルスに感染していることが6日に明らかになった。感染者の大半は乗員という。今後残りの乗客のウイルス検査も行い、経過観察する。

乗客が運航会社を相手に訴訟

グランド・プリンセスの運航会社プリンセス・クルーズは、乗客に旅行代金を全額払い戻すとしている。さらに常連客は、今回の旅行と同額を今後のツアーで使えると説明している。

ただ、フロリダ州に住むカップルは、プリンセス・クルーズを相手取り訴訟を起こした。ウイルス感染のリスクが高まり、精神的な打撃を受けたとし、100万ドル以上の賠償を求めている。クルーズ船の乗客がこうした訴訟を起こすのはこれが初めてとみられる。

プリンセス・クルーズの親会社、カーニバルはコメントに応じていない。

プリンセス・クルーズは、約700人の感染者を出した「ダイヤモンド・プリンセス」も運航している。

*内容を追加して再送します。

[オークランド(米カリフォルニア州) 9日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・太陽の黒点は「予言」? 新型コロナは世界経済をさらに危機的状況へ
・新型コロナウイルス感染拡大にも慌てないフランスの手腕
・韓国、8日の新型コロナウイルス感染は過去10日で最低に 文在寅「安定局面に入る可能性」


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

世界経済の不確実性、貿易戦争終結でも続く=アイルラ

ワールド

パキスタン、インドの攻撃で約50人死亡と発表 40

ビジネス

再送日産、追加で1万1000人削減 従来の9000

ビジネス

ホンダの今期、営業利益5000億円に半減 米関税や
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 6
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    ハーネスがお尻に...ジップラインで思い出を残そうと…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 9
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中