ウクライナ大統領、印・サウジ首脳と電話会談 米ロ会談控え支持獲得へ尽力

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、インドのモディ首相と電話会談し、ロシアの侵攻が続くウクライナでの情勢やロシア産原油への制裁について協議した。2024年8月、ウクライナ・キーウで撮影の提供写真(2025年 ロイター/Ukrainian Presidential Press Service/Handout via REUTERS)
[キーウ 11日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、インドのモディ首相やサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談した。週内に予定されるトランプ米大統領とロシアのプーチン大統領の直接会談前に、欧州以外の国からの支持を取り付けたい考え。
トランプ大統領とプーチン大統領は15日にアラスカで会談し、ウクライナでの紛争終結に向け交渉する計画。トランプ氏は合意に「領土交換」が含まれることを示唆している。
ゼレンスキー大統領はXへの投稿で、世界各国の「指導者たちとのコミュニケーションがほぼ24時間体制で行われており、連絡を取り合っている」とし、「今こそ平和を実現する真の機会だ」と述べた。
モディ首相とムハンマド皇太子はロシアのウクライナ侵攻を巡り、慎重な姿勢を維持。インドはロシア産原油の購入を続けている。一方、サウジは紛争終結に向けた仲介役を担う考えを表明している。
ゼレンスキー大統領は、モディ首相と「長時間」会談したとし、ロシア産原油への制裁についても協議したと明らかにした。戦争を継続するためのロシアの資金調達能力を低下させるために「ロシアのエネルギー、特に石油の輸出を制限する必要があると指摘した」とし、「ロシアに対し影響力を持つ」指導者が行動すべきとも強調した。
モディ氏と9月に直接会談することで合意したという。
モディ首相はゼレンスキー氏との会談後、ウクライナにおける紛争の早期かつ平和的な解決の必要性についてインドの一貫した立場を伝えたと明らかにした。
ゼレンスキー氏はまた、ロシアへの譲歩はウクライナでの戦闘停止にはつながらないとも強調。「ロシアは戦争を長引かせており、世界が圧力を強める必要がある。ロシアは殺害をやめることを拒否しており、いかなる見返りや利益も受け取るべきではない」とし、「譲歩しても殺人犯を説得することはできない」と述べた。