最新記事

エンターテインメント

新型コロナウイルスとの戦いは長期化か AVからNetflixまで引きこもり生活サポートに動くエンタメ界

2020年3月27日(金)18時40分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

AV御法度の韓国にも無料サービス、その訳は?

一方、1000万人を超える会員を擁するというAV動画サイト「xHamster」は、今回のコロナ感染地の中でも、特に感染者の多い6地域限定で無料化サービスを行うと発表した。その対象となるのは、イタリアの2地方、イラン、中国の武漢、カナリア諸島のテネリフェ島、そして韓国の大邱市である。

ただし、そもそも韓国ではポルノに関する規制が厳しく、このサイトにはアクセス自体禁止されているはずだ。xHamster側はどのような考えで無償化を発表したのか不思議だったが、韓国語で検索をしてみると、その謎はすぐに解けてしまった。韓国の検索サイトで「xHamster」と入力すると、ハングルで「韓国から接続する方法」と書かれた接続の仕方を丁寧に説明した裏技紹介ページをすぐに見つけることができた。

このようなAV動画サイトの無料サービスだが、閲覧するためにはまず会員登録が必要だ。新型コロナウイルスのパンデミックが収束し平穏に戻った後も、そのまま有料会員として引き留めて商売に繋げようというしたたかなプロモーションの一部であるようにも見える。

ネットのトラフィック急増へ取り組む配信大手

一方で、AV業界以外のエンターテインメント業界では、全世界自粛の影響力の強さから一時的なサービス制限に乗り出す動きにあるようだ。

24日グーグルは、傘下にあるYouTubeでの配信動画の画質を一時的に下げる方針を明らかにした。自宅待機中の人たちや、休校になった学生たちからのアクセスが急に増加してしまったため、ネットのシステムへの負担を最小限に抑えることが目的だという。1カ月間程度制限された状態での配信となるが、どうしても高画質で観たい人は手動で切り替えが可能だ。

また、今回の自宅待機令で大活躍をしているのが映画配信ネットワーク各社だろう。特にNetflixは、世界中で多くの人が自宅で映画やドラマを楽しみ、外出できない辛さを和らげるために利用している。

そんななか、あるプログラマーがNetflixユーザー向けに「Netflix Party」というGoogle Chrome向けプラグインソフトをリリースし話題となった。これはNetflixを利用する友人たちで同時に映画を再生でき、映画館で一緒に映画を観るような感覚をオンラインで味わえる新しいシステムである。

このようにして、一気に需要が高まってしまったため、NetflixもYouTube同様、今後約1カ月間は配信動画の画質を落としてデータ量を抑える取り組みが始まった。欧州を中心にすでに実施され、視聴者には気にならない程度に画質を落とすことで、約25%のデータ量がセーブできるという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」

ワールド

訂正-米政権、政治暴力やヘイトスピーチ規制の大統領

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中