最新記事

感染症

イタリア、新型コロナウイルス死者463人に 感染者9172人

2020年3月10日(火)08時10分

イタリア北部のロンバルディア州当局は9日、新型コロナウイルスの感染が拡大している同州の死者が66人増加し、333人に達したと発表した。ミラノで8日撮影(2020年 ロイター/FLAVIO LO SCALZO)

イタリア市民保護局は9日、新型コロナウイルスの完全による死者数が97人増えて合計463人になったと発表した。増加率は26.5%と、前日から鈍化した。

感染者数は9172人。増加率は24%と、国内で感染が確認された2月21日以降で最高となった。

これまでに感染が確認された人のうち724人が完全に回復。回復者の数は前日の622人から増加した。集中治療室で治療を受けているのは約733人。前日は650人だった。

イタリア北部のロンバルディア州当局はこの日、新型ウイルスの感染が拡大している同州の死者が66人増加し、333人に達したと発表した。

同国政府は7日、欧州で最も深刻な被害が出ている新型ウイルスの阻止に向け、金融の中心地ミラノを含む北部の大部分を事実上封鎖する措置を導入。4月3日まで集会や人の移動を制限し、ウイルスの封じ込めを目指す。

政府は映画館や劇場、博物館などの施設閉鎖を指示したほか、スポーツイベントもキャンセルされた。また、店舗やレストランには客が1メートル以上距離を置くよう通達を出した。

また、イタリアオリンピック委員会(CONI)はこの日、国内のスポーツ団体の代表者との会合後、すべてのスポーツ関連イベントを4月3日まで中止するよう呼び掛け、声明で「全ての人にとって、健康が最優先事項となる」とした。

ロンバルディア州のミラノでは公共交通機関は運転しているが、街中は通常に比べ閑散としており、多くの小規模店やカフェは休業している。営業中の店も大半で客の姿は見えない。

市中心部にあるデパートの店員は「全く人がいない。こんな状況は経験したことがない」と述べた。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・太陽の黒点は「予言」? 新型コロナは世界経済をさらに危機的状況へ
・新型コロナウイルス感染拡大にも慌てないフランスの手腕
・韓国、8日の新型コロナウイルス感染は過去10日で最低に 文在寅「安定局面に入る可能性」


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日鉄、純損益を600億円の赤字に下方修正 米市場不

ビジネス

トヨタ、通期業績予想を上方修正 純利益は市場予想下

ワールド

EU、排出量削減目標を一部弱める COP30に向け

ワールド

民主3戦全勝、NY市長に34歳左派 トランプ氏2期
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中