最新記事

ウルビ・エト・オルビ

ローマ教皇がクリスマス講話 「心の変革で社会は変わる」と呼びかけ

2019年12月26日(木)12時00分

ローマ教皇フランシスコ(83)は、今年のクリスマスに全世界に発信したメッセージ「ウルビ・エト・オルビ」で、世界に対し、宗教迫害や社会の不正義、武力衝突、移民恐怖症につながる「人の心の闇」にクリスマスの光を染み渡らせるよう呼びかけた。写真は12月25日、バチカンで撮影(2019年 ロイター/配布写真)

ローマ教皇フランシスコ(83)は、今年のクリスマスに全世界に発信したメッセージ「ウルビ・エト・オルビ」で、世界に対し、宗教迫害や社会の不正義、武力衝突、移民恐怖症につながる「人の心の闇」にクリスマスの光を染み渡らせるよう呼びかけた。

教皇は、聖地パレスチナ、シリア、レバノン、イエメン、イラク、ベネズエラ、ウクライナ、および紛争に見舞われている一部アフリカ諸国における平和の実現を求め、変革は個人の心の中で始まるとの一貫した認識を示した。

教皇は、「人の心の中には闇が存在する。しかし、キリストの光はそれよりも偉大だ。個人、家族、社会における関係の中にも、経済、知地政学、環境においての衝突にも闇が存在するが、キリストの光はさらに偉大だ」と述べた。

また、キリスト教徒が過激派に迫害されているとして、ブルキナパソ、マリ、ニジェール、ナイジェリアの国名を挙げ、信仰のために苦しむ人々に神の慰めが訪れるようにとの願いを述べた。

また、移民の人々について、「砂漠や海を越えさせ、命を落とさせることは正義に反する。非人道的な収容施設で筆舌に尽くしがたい虐待やあらゆる種類の奴隷化、拷問を強いることは正義に反する」と訴えた。

さらに、世界には大きな問題が山積しているが、不正を正すために遠くを見る必要はないと指摘。手始めに「人間の家族の中で苦しんでいる(すべての)人」を癒すことにより、自分の属する社会を変革することができると述べた。

[バチカン市 25日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレに忍耐強く対応、年末まで利下げない可能性=

ワールド

NATO、ウクライナ防空強化に一段の取り組み=事務

ビジネス

米3月中古住宅販売、前月比4.3%減の419万戸 

ビジネス

米新規失業保険申請、21万2000件と横ばい 労働
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 5

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 6

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲…

  • 7

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 8

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 9

    インド政府による超法規的な「テロリスト」殺害がパ…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中