最新記事

感染症

中国で2人がペスト感染でパニック、不安訴えるSNSは削除され......

2019年11月19日(火)17時40分
松丸さとみ

「ペストより怖いのは情報が公開されないこと」

ウェイボーには、「この病院、うちからすごく近いんだけど...あまりうろうろしない方がいいかも。マスクつけなきゃ」や、「本当に怖い。仕事が終わったらすぐにマスクを買いに行こうっと!」などの声が投稿されたが、こうした投稿の多くはその後、削除されているようだとWSJは伝えている。

NYタイムズは、ペストに関するオンラインでの議論を「ブロックし、コントロール」するよう中国で命令が出されたと報じている。

あるウェイボー・ユーザーは、「一番怖いのはペストじゃない。もっと怖いのは、情報が公開されないことだ」と投稿。別のウェイボー・ユーザーは、患者が内モンゴルから北京へどうやって移動したのかを公表してほしいと書いた。公共交通機関で移動したのであれば、かなり多くの人に触れた可能性があり、ペストが感染する恐れがあるからだ。

フォーリン・ポリシーは、中国政府がペストそのものよりも、国民の反応をコントロールしようとしているようだとして、中国の対応に疑問を投げかけている。

新たに腺ペスト患者が出た

なお、中国国営の通信社「新華社」は17日、内モンゴルで新たに腺ペスト患者が出たと報じた。11月5日に野うさぎを捕まえて食べたのが原因としている。患者と近しい28人が隔離されたが、当局は、北京で治療を受けている2人の肺ペストとは関連がないとしている。

ペストは現在、早期治療すれば怖い病気ではないとされているが、2017年にはマダガスカルで肺ペストが流行(WHO)した他、今年5月には本サイトでも伝えた通り、モンゴルでマーモットの生肉を食べた夫婦が腺ペストで死亡している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、約4年半ぶり大幅増 季調要因の

ビジネス

米国株式市場・午前=ナスダック一時1週間ぶり安値、

ワールド

プーチン氏、マドゥロ政権に支持表明 経済協力も協議

ワールド

米印首脳が電話会談、二国間関係や国際情勢など協議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキャリアアップの道
  • 2
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれなかった「ビートルズ」のメンバーは?
  • 3
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 6
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナ…
  • 7
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎…
  • 8
    ピットブルが乳児を襲う現場を警官が目撃...犠牲にな…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 10
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中