最新記事

テロ

ドイツ東部のユダヤ教施設近くで乱射、2人死亡 ゲーム実況サイトで犯行中継

2019年10月10日(木)13時40分

ドイツ東部ハレのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)付近で9日、乱射事件があり、2人が死亡した。(2019年 ロイター/FABRIZIO BENSCH)

ドイツ東部ハレのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)付近で9日、乱射事件があり、2人が死亡した。実行犯の男は犯行の様子をインターネットのサイトで生中継した。

複数の現地メディアによると、単独犯による犯行とみられる。犯人はシナゴーグ付近で女性を射殺、近くにあるトルコ系飲食店でも乱射し、男性を殺害した。この日はユダヤ暦の「贖罪(しょくざい)の日(ヨム・キプール)」で、1年で最も神聖な日とされる。

警察は1人を拘束したと発表。独誌シュピーゲルやフォークスの電子版によると、拘束されたのは27歳のドイツ人男性。

米アマゾンのゲーム実況サイト「ツイッチ」で生中継された動画では、坊主頭の若い男性がたどたどしい英語で「ホロコーストは決して起きていないと私は思う。フェミニズムは西側諸国での出生率低下の原因だ」と語る姿が映っている。最後は「これら問題の根本原因はユダヤ人だ」と述べてから乱射を開始した。

アマゾンの広報担当者は、ツイッチが「緊急に同コンテンツを削除しており、この忌まわしい行為を投稿あるいは再投稿しているいかなるアカウントも恒久的に停止する」と表明した。

ロイターは複数のサイトで動画のコピーやリンクが投稿されているのを見つけた。

動画によると、犯人はシナゴーグまで車を運転し、扉が閉まっていたため押し入ろうとしたができなかった。その後、近くにいた通行人の女性に向けて何度か銃を発砲した。

付近のトルコ系飲食店には爆発物を投げ入れた上で乱射したことが従業員の話で明らかになった。

メルケル独首相の報道官は「いかなる形の反ユダヤ主義にも反対すべきだ」とツイッターに投稿。メルケル首相はベルリンのシナゴーグを訪れた。

[ベルリン/ハレ(ドイツ) 9日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191015issue_cover200.jpg
※10月15日号(10月8日発売)は、「嫌韓の心理学」特集。日本で「嫌韓(けんかん)」がよりありふれた光景になりつつあるが、なぜ、いつから、どんな人が韓国を嫌いになったのか? 「韓国ヘイト」を叫ぶ人たちの心の中を、社会心理学とメディア空間の両面から解き明かそうと試みました。執筆:荻上チキ・高 史明/石戸 諭/古谷経衡

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

GMメキシコ工場で生産を数週間停止、人気のピックア

ビジネス

米財政収支、6月は270億ドルの黒字 関税収入は過

ワールド

ロシア外相が北朝鮮訪問、13日に外相会談

ビジネス

アングル:スイスの高級腕時計店も苦境、トランプ関税
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「裏庭」で叶えた両親、「圧巻の出来栄え」にSNSでは称賛の声
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 5
    セーターから自動車まで「すべての業界」に影響? 日…
  • 6
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 9
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 10
    日本人は本当に「無宗教」なのか?...「灯台下暗し」…
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 4
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 5
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 6
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 7
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中