最新記事

事件

ピエール瀧とK-POPアイドルBIGBANG V.Iに見る芸能人スキャンダルの自粛問題

2019年4月4日(木)20時11分
杉本あずみ(映画配給コーディネーター)

韓国も地上波放送局は配信停止だが......

このように、続々とアイドル歌手が事情聴取されているわけだが、韓国での放送自粛や楽曲の規制はどの程度されているのだろうか?

まず、一連の疑惑の発端となったV.Iは、3月9・10日に行われるはずだった大阪城ホールでのソロコンサートを中止。その後17日に予定されていたジャカルタでのコンサートも中止した。

また、経営に参加していた「アオリの神隠し」というラーメンチェーン店(韓国内43店舗、海外7店舗)は、事件発覚から売り上げの70%が下落。V.I側はチェーン店に加盟費を返金したが、その総額は10億ウォン(約1億円)にも上るという。このほかにもV.Iは事業を手広く行っていたが、居酒屋やクラブなどは軒並み閉鎖している。

女性に薬物を飲ませて強制性交した様子を盗撮し、それをSNSのグループルームで共有したとされるチョン・ジュニョンに関しては、今まで出演してきたKBSテレビのバラエティー「1泊2日」や音楽番組「スケッチブック」の過去放送回がKBSのサイトから削除済みだ。しかし、削除したのは元の放送局だけで、音楽配信サービスなどではまだ普通に見ることができる。どうやら、自粛しているのは母体となる放送局で、配信については配信会社側の自主判断に任せているようだ。

また、彼らの音楽作品や映像作品に関しては自粛などは行われていない。V.Iに関しては、主演したネットフリックスオリジナル作品『YG未来戦略室』をはじめ、日本映画『HiGH&LOW THE MOVIE』、所属したグループBIGBANGのドキュメンタリー映画『BIGBANG MADE』にも出演していたが、どの作品も今現在、問題なくダウンロードして観ることができる。もちろんBIGBANGの楽曲もV.Iのソロの曲も今でもダウンロード可能である。

被害者がいれば規制は必要だが......

芸能人が罪を犯した場合、世間に対する影響力は大きい。また、その事件に被害者がいた場合は、写真や映像がテレビなどのメディアに流れるたびに、被害者は事件の記憶がフラッシュバックしてしまうかもしれない。そういった意味で規制するのは必要だ。しかし、今回のピエール瀧のように他に直接的な被害者がいない事件で逮捕された場合、果たしてCDや出演作品の回収までする必要はあるのだろうか?

4月4日、東京地裁はピエール瀧の保釈申請を認める決定をした。罪を償い、薬物中毒という病気を克服して、いつか復活したときには、辞めたくても辞められない中毒患者にとって更生の見本になるよう、芸能人としての影響力を発揮してほしい。それまでには自粛された作品たちも日の目を見ることができるだろう。

ピエール瀧がまたツアーをできるのはいつの日か?
今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:米株の上昇銘柄に広がり テック一辺倒から変化

ビジネス

インドネシアFDI、25年ほぼ横ばい 今年は大幅増

ビジネス

リオティント、アマゾンのAIデータセンターに銅供給

ビジネス

JPモルガンCEO、少なくとも「あと5年は続投した
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 2
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑について野次られ「中指を立てる」!
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    イランの体制転換は秒読み? イラン国民が「打倒ハ…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 7
    年始早々軍事介入を行ったトランプ...強硬な外交で支…
  • 8
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 9
    母親「やり直しが必要かも」...「予想外の姿」で生ま…
  • 10
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 8
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 9
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 8
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中