最新記事

性的暴行疑惑

「ハウス・オブ・カード」の米俳優ケビン・スペイシー、7日に出廷へ──セクハラ、性的暴行疑惑とアーティストの関係とは

2019年1月7日(月)18時00分
小林恭子(在英ジャーナリスト)

昨年12月には元モデルのクリスチーナ・エンゲルハルトが、1970年代、自分が17歳未満の時にアレンと性的関係を持っていたと雑誌のインタビューの中で述べた。ニューヨーク州で性的合意の年齢は17歳である。

エンゲルハルトはアレンに対し「何の不満も持っていない」と述べており、アレンを非難するために過去を暴露したわけではないようだ。しかし、ディランの例も加味すると、「少女に違法に性的関係を迫る男性」というイメージが強化された格好だ。

アレンの最新作は「ア・レイニー・デー・イン・ニューヨーク」で、2017年秋にすでに撮影は終了しているが、公開時期は未定のままだ。

アレンも、スペイシーも映画界でのキャリアが事実上、停止してまった。

どちらの場合も、裁判で有罪となったわけではない。しかし、社会での評判が大きな要素になる職業のため、関係者が手を引いたような状況だ。また、「スペイシーの過去の作品を見ていると、現在の疑惑のことが気になって集中できない」という視聴者もいて、難しい。

両者の活動が停止してしまうことについては、賛否両論があるだろうと思う。

スペイシーに関しては、筆者はまず事実を知りたいという思いがする。

ただし、同意があったのかなかったのかについては意見が分かれそうだ。何年もあるいは何十年も前の出来事であれば、どちらの場合でも証明はさらに困難になる。

アレンの疑惑の1つは養女に対する性的暴力だったが、実の娘との性行為がのちに判明したアーティストがいる。

ロンドンの地下鉄「オックスフォード・サーカス駅」から歩いて数分で、BBCの放送センターのビルに行き着く。左側にあるのは旧・放送センターの建物で、外壁にはイギリスの彫刻家・書体デザイナー・版画家として知られるエリック・ギル(1882-1940年)が製作した作品が飾られている。

シェイクスピアの「テンペスト」に触発された作品で、「プロスぺローとエアリアル」(1932年)という題がつく。

実の娘や犬と性行為

1989年に出たギルの伝記本の中で、ギル自身が書いた日記の内容が紹介されており、それによると、ギルは姉妹、実の娘二人や犬と性行為を行っていた。出版後、この彫刻は「取り去るべきだ」とする声が一部で上がった。

筆者はこの事実をBBCのある番組を見ていた時に知った。衝撃を受けたし、どこかの美術館で公開されているのであればともかく、公共放送としてのBBCの建物の外壁に置かれていることに納得がいかなかった。

ginko190107.jpg
ギルの「プロスぺローとエアリアル」(BBCのアーカイブサイトより) 

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米イスラエル首脳が会談、イラン核協議巡り見解に隔た

ビジネス

1月米雇用、13万人増と1年超ぶり大幅増 失業率4

ワールド

米テキサス空港の発着禁止解除、対無人機システム巡る

ビジネス

26年度の米財政赤字は1.853兆ドルに拡大の見通
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 7
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 10
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中