最新記事

テクノロジー

この冬、買うべきスマートスピーカーはどれ?

Choosing Between Google and Amazon

2018年12月26日(水)15時30分
ウィル・オリマス

感謝祭のセールでニューヨーク郊外の家電品店の店頭に並ぶエコー Shannon Stapleton-REUTERS

<アマゾン・エコーのスキルを使いこなすか、それともグーグル・ホームの地頭のよさに頼るかはあなた次第>

対話するように音声で操作を行うスマートスピーカーは、使い慣れると手放せなくなる製品だ。アメリカでの普及率は今年8月時点で既に全世帯の32%に達した。

問題はどの会社の製品を選ぶかだが、カメラやテレビと違ってハードウエアの仕様だけでは答えは出ない。重要なのはスマートスピーカーを動かす人工知能(AI)。グーグルで言えば「グーグル・アシスタント」、アマゾンでは「アレクサ」だ。

そしてAIの使い勝手を比べるには、複数のAIを長期間使った経験のある人間の話を聞くのが一番だ。私はアマゾンのスマートスピーカー「エコー」を1年ほど使ってから「グーグル・ホーム」を1年半ほど使用。1カ月ほど前からは、音響メーカーのソノスが出したアレクサ対応の「ソノス・ワン」を使っている(今回はアップルなど他社のAI対応製品は扱わない。性能的に比較にならないと世評が一致しているためだ)。

アドビが9月に発表した研究によれば、スマートスピーカーの主な用途は音楽鑑賞に天気予報やニュースのチェック、面白い質問をする、ネット検索、目覚ましのセットといったところだ。このあたりに限定するならば、アレクサとアシスタントのどちらを選んでも問題はないはずだ。

ただし、もう少し容赦ない使い方(切妻屋根と寄せ棟屋根の違いを尋ねたり、できるかどうか分からないタスクをいきなり要求するとか)をすると違いが目立ってくる。ひとことで言えば、グーグルのほうが賢いのだ。

アマゾンはスマートスピーカーで使うことを主目的に対話型のAIをゼロから開発してきた。機能強化についてはAI本体に磨きをかけることに加え、「スキル」(特定の機能を実行するアプリのようなもの)を付け足すことで実現するという方針だ。

スキルの種類は数千に上り、ピザ店や報道機関など多くの企業からも提供されている。つまり非常に幅広い機能が使えるということだが、問題は自分に役立つスキルの有無にユーザーはなかなか気付けないという点だ。

無理難題は要求しないで

対照的にグーグルは、スマートスピーカーに参入するずっと前からAI界を牽引する存在だった。初期のグーグル・ホームはアレクサが既にマスターしていた基本的なコマンドの処理にも手こずっていたが、その点は急速に改善されている。

グーグルにもスキルに相当する「アクション」というものがあるが、数はずっと少ない。アクションを使わなくても質問だけでこと足りることが多いのだ。私がハンバーガーの作り方を尋ねたときも、アシスタントは適切なレシピを選んで、しかも手順を追って説明してくれた。1つ目の手順が終わるのを待って次に進むといった具合に。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日経平均は反発、終値で初の4万5000円台 半導体

ビジネス

野村、年内あと2回の米利下げ予想 FOMC受け10

ワールド

米関税15%の履行を担保、さらなる引き下げ交渉も=

ワールド

林氏が政策公表、物価上昇緩やかにし1%程度の実質賃
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、日本では定番商品「天国のようなアレ」を販売へ
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    中国は「アメリカなしでも繁栄できる」と豪語するが...最新経済統計が示す、中国の「虚勢」の実態
  • 4
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「リラックスできる都市」が発…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「なんて無駄」「空飛ぶ宮殿...」パリス・ヒルトン、…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 10
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中