最新記事

中国政治

中国当局、孟宏偉・前ICPO総裁を収賄など汚職容疑で調査

2018年10月9日(火)11時00分

10月8日、中国は、国際刑事警察機構(ICPO)が辞任を発表した孟宏偉・前総裁を収賄などの法律違反で調査していると明らかにした。写真はシンガポールで2014年9月撮影(2018年 ロイター/EDGAR SU)

中国は8日、国際刑事警察機構(ICPO)が7日に辞任を発表した孟宏偉・前総裁を収賄などの法律違反で調査していると明らかにした。

孟氏を巡っては、中国に一時帰国中に行方が分からなくなったとフランス在住の妻が仏当局に通報。仏内務省は5日、孟氏の家族は9月25日以降、同氏と連絡が取れていないとしていた。

フランスに本部を置くICPOは7日、孟氏が総裁を辞任したと発表した。

中国公安省はウェブサイトに掲載した声明で「孟宏偉氏に対する収賄や法律違反の調査は非常に時宜にかなっており、絶対的に正しく、賢明だ」とし、「法の前には特権も例外もなく、法律に違反する者は誰しも厳しく処罰しなければならないことを示している」と強調した。

仏メディアは7日、孟氏の妻が顔を隠すためカメラに背を向けた状態で会見する動画を放送した。仏メディアによると、妻は孟氏から送られてきた携帯電話のテキストメッセージを記者団に見せ、身の危険を知らせるためナイフの絵文字が一緒に送られてきたことを明らかにした。

中国は習近平国家主席の下で当局者の汚職取り締まりを強化している。

孟氏は2016年、国際機関の要職に中国人を置く政府の取り組みの一環としてICPO総裁に就任した。

カーネギー清華センターのディレクター、ポール・ハンリ氏は「孟氏の突然の失踪が中国自身の努力を台無しにしたのは明らかで、中国は国際社会で重要な指導者の役割を果たす用意ができていないとの主張に信頼性を与える結果になった」と指摘した。

[北京/パリ 8日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

12月FOMCでの利下げ見送り観測高まる、モルガン

ビジネス

米シカゴ連銀総裁、前倒しの過度の利下げに「不安」 

ワールド

IAEA、イランに濃縮ウラン巡る報告求める決議採択

ワールド

ゼレンスキー氏、米陸軍長官と和平案を協議 「共に取
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中