最新記事

日本政治

総裁選3選有力の安倍首相 求心力の維持が政局に影響も

2018年9月5日(水)15時38分

石破茂元幹事長。東京で2014年9月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

6年ぶりとなる自民党総裁選が7日告示・20日投開票の日程でスタートする。選挙戦は安倍晋三首相と石破茂元幹事長の一騎打ちとなり、すでに国会議員票の8割を固めたとされる安倍首相の3選が有力視されている。

もっとも安倍首相が勝利しても、総裁任期は2021年9月で満了となるため、3選確定と同時にポスト安倍をめぐる党内の動きが活発化する可能性もある。

また、今月30日の沖縄県知事選で与党系候補が敗れたり、石破氏が小泉進次郎・筆頭副幹事長の支持を得て善戦するケースが現実となれば、安倍首相の求心力に影響が出かねないとの思惑も党内で渦巻いている。

自民党総裁選は、衆参合計405票の国会議員票と、100万人あまりの党員・党友の得票を405票に換算し直した地方票の合計810票で競う。

安倍陣営が3日に開催した出陣式には、秘書の代理出席を含め国会議員の8割が参加した。石破陣営は石破派20人と参院竹下派などを合わせ、現時点で50人未満にとどまっており、議員票では首相圧勝の勢いとなっている。

2012年の前回総裁選では、地方票に限ると石破氏がダブルスコアで安倍氏をリードした。だが、自民党幹部の1人は「当時の自民党は野党。今は安倍氏の集票力がダントツに強い」と話す。

地方票で石破氏が安倍首相を「逆転するのは難しい」(竹下派幹部)との見方が、党内で多くなっている。

このため石破氏が、どこまで善戦するかという点に関心が集まりつつある。先の竹下派幹部は「200票取れれば(石破陣営の影響力が)変わってくる」と指摘する。

まだ、投票先を明言していない小泉筆頭副幹事長が、石破氏に投票を決め、そのことを投票前に公言すれば、一定の票が石破氏に流れる可能性があるとの声も、ここに来て広がり出した。

総裁選は無記名投票のため、石破陣営は、態度未定議員のほか、岸田派など首相支持を決めた派閥内でも、安倍首相に批判的な議員の掘り起こしを目指す。

もっとも多くの自民党関係者の関心事は、安倍首相の3選後の政権運営だ。早期に首相支持を鮮明にした二階派や麻生派内でも「誰もがポスト安倍時代を色々と考え始めている」(幹部)という。

安倍首相が総裁選を前に、早期の憲法改正発議をあらためて提唱しているのも「求心力維持のため」(永田町ウオッチャー)と冷ややかに見る向きがある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏のグリーンランド獲得計画、米国民の支持1

ワールド

通常国会の早期に解散、高市首相が自民・維新に伝達 

ワールド

カタール米軍基地、一部要員に退去勧告=外交筋

ビジネス

中国の日本からの輸入、昨年12月は3年ぶり高水準 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広がる波紋、その「衝撃の価格」とは?
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救った...実際の写真を公開、「親の直感を信じて」
  • 4
    飛行機内で「マナー最悪」の乗客を撮影...SNS投稿が…
  • 5
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    「普通じゃない...」「凶器だ」飛行機の荷物棚から「…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 6
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 7
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 8
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 9
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 10
    「高額すぎる...」ポケモンとレゴのコラボ商品に広が…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中