最新記事

防災

横浜周辺「水没リスク」がある鉄道は? ハザードマップに見る津波襲来ランキング

2018年7月20日(金)16時21分
内田 宗治(フリーライター)※東洋経済オンラインより転載

横浜駅の改札口付近に掲示された「津波避難情報」の地図(筆者撮影)

西日本の洪水災害は、首都圏でもひとごとではない。倉敷市の河川氾濫は、行政により予測されハザードマップが作られていた。

首都圏に大地震が発生したとき、大津波襲来の危険が指摘されている。そしてこちらも、神奈川、東京、千葉の都県ではハザードマップが作られている。同じように災害が起きてもおかしくないのである。

JR横浜駅に「津波避難情報」の地図が掲示されているのをご存じだろうか。地図は横浜駅を中心に半径400〜600mほどの地域が津波襲来を示す水色に塗られている。すべての改札(4カ所)付近に貼られているが、意識しないと見落としてしまいがちなので、横浜駅を何度か利用した人でも、気づいていない方もいるかもしれない。

首都圏の海岸(神奈川県、東京都、千葉県)にも巨大地震の際、津波襲来が想定されている。「首都圏『大地震で大津波が来る駅』ランキング」記事で述べたように、江ノ電の長谷駅では最大で5〜8mの津波が想定されている。

そのとき、鉄道はどう対応し、われわれはどうすればいいのか。

横浜駅周辺は津波襲来エリア

首都圏の鉄道の中で、津波襲来エリアにあり、かつ利用者、電車の本数とも圧倒的に多いのが横浜駅周辺である。東京都内の鉄道駅では、ゆりかもめ日の出駅がいちばん浸水高があり0.5〜0.8m(地表部分)、JR浜松町駅が0〜0.15m(地表部分)だが、横浜駅へは、それよりずっと高い津波が想定されている。

津波は駅だけでなく駅間の線路にも当然やってくる。そこで今回は、横浜周辺(横浜市と川崎市)の鉄道路線に限定し、駅間における線路への津波襲来高ランキングを作成してみた。

作成にあたっては、神奈川県が発表した巨大地震における津波ハザードマップを基に線路(一部は線路付近)への津波の高さを集計し、独自に順位付けを行った。地下路線は駅付近の地表の津波浸水高とした。また横浜シーサイドラインは、高架鉄道なので今回は除外した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

テマセク、運用資産が過去最高 米国リスクは峠越えた

ワールド

マレーシア、対米関税交渉で「レッドライン」は越えず

ビジネス

工作機械受注、6月は0.5%減、9カ月ぶりマイナス

ビジネス

米製薬メルク、英ベローナ買収で合意間近 100億ド
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中