最新記事

英EU離脱

ジョンソン元外相「メイ首相はEUに経済的隷属する『いつわりのブレグジット』計画」

2018年7月19日(木)11時33分

7月18日、英国で7月9日に外相を辞任した欧州連合(EU)離脱強硬派のボリス・ジョンソン氏は、メイ首相は偽のブレグジットを計画しており、完全離脱に失敗して有権者を裏切ろうとしていると非難した。写真はジョンソン氏。ロンドンで11日撮影(2018年 ロイター/SIMON DAWSON)

英国で7月9日に外相を辞任した欧州連合(EU)離脱強硬派のボリス・ジョンソン氏は18日、メイ首相は偽のブレグジットを計画しており、完全離脱に失敗して有権者を裏切ろうとしていると非難した。

ジョンソン氏はメイ首相が目指す穏健路線に反対して辞任。過去にロンドン市長を務め、首相を目指したこともある。

辞任後初となった議会での発言でジョンソン氏は、メイ首相を支持すると述べる一方、首相のEU離脱計画は英国を「みじめで、永遠に不確実な状態」に置くことになると激しく攻撃した。

2016年の国民投票時、「リーブ(EU離脱)」キャンペーンを主導した同氏は改めて、自らを強硬離脱派の旗手と位置付け、欧州市場へのアクセスを維持するためEUと妥協すべきだとの穏健派を批判。「ブレグジットを救うにはまだ遅くない」と述べ、「離脱交渉の時間は残されている。既に一度は方針を変更しているのだから、また変えられる」と主張した。

同氏は離脱派の議員から喝采を浴びたものの、国内経済を破壊させずにEUを離脱する方法の詳細については提示できなかった。そのため、議場では「それっぽっちか」とのやじも飛び出した。

ジョンソン氏は首相について、2017年1月の離脱姿勢に関する演説で「確固として独立し、自ら統治する英国」を標榜(ひょうぼう)したにもかかわらず、その路線から逸脱していると批判。「ブレグジットとは名ばかり」であり、英国は「経済的隷属」に身を落とすことになると述べた。

首相はこの日、議会の特別委員会に出席中で、この場にはいなかった。

[ロンドン 18日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本の小説36
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月16日/23日号(9月9日発売)は「世界が尊敬する日本の小説36」特集。優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期

ワールド

ガザ全域で通信遮断、イスラエル軍の地上作戦拡大の兆

ワールド

トランプ氏、プーチン氏に「失望」 英首相とウクライ

ワールド

インフレ対応で経済成長を意図的に抑制、景気後退は遠
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 8
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中