最新記事

W杯

W杯ドイツ代表監督「韓国に負けるとは思わなかった」

2018年6月29日(金)15時00分
アビナフ・キニ

多くのサッカー批評家は、リーグ敗退に到るまでのドイツが傲慢だったと感じている。大会前の6回の親善試合では、1勝1分けはあったがその他の試合は負けていた。またW杯の最終メンバーにマンチェスター・シティのFWレロイ・サネを選ばなかったことも驚きだった。

また一次リーグの3つの試合でいずれも雑な攻撃を見せ、結果としてカウンター攻撃から失点して負けていることから、グループFの対戦相手をみくびっていたことは確かだろう。レーブ自身も、代表選手たちが「グループリーグのひどい結果は大会期間中におのずと改善されるだろう」と考えていたことを認めている。

スイッチが入らなかった

「代表合宿の調子は良かった」とレーブは語っている。「チームワークは良かったし、選手は本当に良く練習していた。しかしオーストリア、サウジアラビアとの親善試合は良くなかった。多分ボタンを押せばギアが入ると考えていたが、(W杯初戦の)メキシコに負けてしまった。そこで1点取っていれば違っていただろう。スイッチを入れることができなかった。トーナメント戦が始まればうまくやれると確信していたが、そうはならなかった」

しかしレーブは、特に2006年W杯以降のドイツ代表の好成績と現在のユース選手の将来への期待に言及し、ドイツサッカーの未来はまだ明るいと言って譲らなかった。

「ドイツは過去10~12年間、おそらく最も安定したパフォーマンスを見せてきた。2014年のW杯、17年のコンフェデレーションズカップの優勝をはじめ、これまで長い間世界のベスト4を維持してきた」と強調した。

「今回の敗退はとてつもなく悲しく、失望しているが、ドイツには非常に才能があって可能性を持った若い選手たちがいる。このような挫折は他の国も経験していることで、ドイツは正しい結末を導き出さなければならない」

10年以上にわたって代表監督をつとめ、多くの栄光をドイツにもたらしたレーブは、サッカー界の「名将」とうたわれてきた。ロシアでの衝撃的すぎる敗北を乗り越えることはできるのか。

(International Business Times)

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米メタ、メタバース事業の予算を最大30%削減との報

ワールド

トランプ氏、USMCA離脱を来年決定も─USTR代

ビジネス

米人員削減、11月は前月比53%減 新規採用は低迷

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始 27
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 4
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 5
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 6
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 7
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 8
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 9
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 10
    白血病細胞だけを狙い撃ち、殺傷力は2万倍...常識破…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場の全貌を米企業が「宇宙から」明らかに
  • 4
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 5
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 6
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 9
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 10
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中