最新記事

再建手術

左耳を失った米女性兵士、前腕で育てた耳の移植手術に成功

2018年5月11日(金)15時10分
スマン・バランダニ

女性兵士の前腕で育てた耳。米軍外科医が移植手術に成功した U.S. Army

<軍人には最高の再建手術を、と米軍が初めて挑戦した画期的手術>

交通事故で左耳を失った米軍の女性兵士が、自分の前腕で「育てた」耳の移植手術を受けて成功した、と米軍が5月9日に発表した。米軍初となるその手術は米南部テキサス州にある医療施設で行われ、米軍外科医が二等兵の患者シャミカ・バレイジ(21)に新しい耳を移植した。

その稀で画期的な手術は、患者の胸郭から軟骨細胞を取り出し、それを耳の形にして前腕の皮下に埋め込んで成長させ、新たな血管を流れさせる「血管新生」と呼ばれる手法を用いて行われた。米軍公式サイトの記事は、「完全な耳の再建」として、詳しく伝えている。

「全体的な目標は、治療を完了する頃までに見た目を良くし、耳の感覚を取り戻すこと。5年以内に、彼女と初対面の人なら、移植した耳だと気づかなくなるだろう」と、ウォルター・リード米軍医療センターの形成・再建外科主任、オーウェン・ジョンソン大佐は言った。「若い現役兵士は、今できる最高の再建手術を受ける価値がある」

「(耳には)これから動脈と静脈が流れ始める。神経も再生するため、耳の感覚を取り戻すことも可能だ」

最初はショックだった耳の再建手術

バレイジは2年前、車を運転中にタイヤがパンクして進路を外れ、激しく横転する事故に遭遇。頭部損傷、脊髄骨折、多数の外傷とともに、左耳を失う重傷を負った。

耳の再建手術、という選択肢を医師に提示された時はショックで、当初は手術を拒んだという。

「でも考え直した。傷跡を隠すために人工の耳を装着するつもりだったが、やっぱり本物の耳が欲しかった」、と彼女は言った。「医師の力に賭けてみようと思った」

以下は、中国陝西省の西安交通大学が育てた耳の例(2016年11月9日)。
webs180511-ear02.jpg
China Daily/REUTERS

(翻訳:河原里香)

ニューズウィーク日本版 高市vs中国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月27号(1月20日発売)は「高市vs中国」特集。台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=

ビジネス

アングル:中国「二線都市」が高級ブランドの最前線に

ワールド

焦点:トランプ氏のミサイル防衛構想、1年経ても進展
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 5
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 6
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタ…
  • 9
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 10
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 6
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 9
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中