最新記事

日本経済

小売業界、百貨店からスーパー、コンビニまで投資続く デジタル化や人手不足対応など急務

2018年4月13日(金)18時35分


コンビニ、客数増や人手不足対策に投資

日本の小売業界では成長分野だったコンビニエンスストアも転換を迫られている。

セブン&アイ・ホールディングス <3382.T>の井阪隆一社長が「一番頭が痛かった」と話したのは、コンビニの客数減だ。セブン―イレブン・ジャパンの18年2月期の既存店客数は0.9%減で07年2月期以来の減少となった。

日本フランチャイズチェーン協会によると、コンビニの既存店客数は今年2月で2年間減少を続けている。入れ立てコーヒー以降、新たなヒット商品や集客の目玉は生まれていない。すでに「市場は完全に飽和している」(沢田貴司ファミリーマート社長)状況にあり、食品を強化しているドラッグストアなどの異業種を含めて顧客の奪い合いになっている。人手不足も深刻化しており、店舗の質を高めると同時に、店舗の効率化も求められている。

沢田社長は「既存の加盟店が競争力ある店になるような投資が一番大事」と述べ、新規出店よりも既存店投資にシフトする姿勢を示した。ユニー・ファミリーマートホールディングス <8028.T>は19年2月期に前期比12%増の1400億円の投資を計画している。コンビニでは、340店舗のスクラップ&ビルドに185億円、店舗改装や施設改善に180億円などを投じる。また、新型の引出し棚などの導入で店舗での作業負担軽減につなげる。

ローソン <2651.T>も、19年2月期を「20年2月期からの増益基調の基盤を整える年」(竹増貞信社長)と位置付け、減益予想を厭わず投資を増やしている。前年に15%増となった投資額は、19年2月期も4.2%増の910億円と高水準を維持する。シニアや外国人が働きやすくなる自動釣銭機付POSレジの全店導入や3000店舗への食洗機設置などを進めるほか、スマホ決済などの実験も進める。

7&iHDの19年2月期の設備投資は前期比2.2倍の7784億円を計画している。米スノコの店舗買収費を含む海外コンビニ事業が同5倍の4800億円に膨らむほか、国内コンビニも19%増の1675億円を見込む。井阪社長は「スノコを除いても、設備投資額の約70%を内外コンビニ事業に充てる」とした。前期1300店舗となった新レイアウト店舗では、売上げが1万5000円増加(1日あたり)したという。今期1700店舗の新レイアウト店舗の導入も含めて、引き続きコンビニへの投資を進める方針だ。

(清水律子)

[東京 13日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:カジノ産業に賭けるスリランカ、統合型リゾ

ワールド

米、パレスチナ指導者アッバス議長にビザ発給せず 国

ワールド

トランプ関税の大半違法、米控訴裁が判断 「完全な災

ビジネス

アングル:中国、高齢者市場に活路 「シルバー経済」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 2
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 5
    「人類初のパンデミック」の謎がついに解明...1500年…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 8
    「体を動かすと頭が冴える」は気のせいじゃなかった⋯…
  • 9
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 4
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 5
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動…
  • 6
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 7
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 10
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中