女性だからではないと書いたものの、猿橋は日本の女性科学者にとっての「ガラスの天井」を何度も突き破っている。81年には女性で初めて日本学術会議の会員に選ばれ、85年にも女性で初めて地球化学研究協会の「三宅賞」を受賞した。

猿橋は、後進の女性科学者が実力を発揮するための踏み台も用意した。58年に「日本婦人科学者の会」(現「日本女性科学者の会」)を設立。女性と男性が共に個性と能力を発揮できる環境づくりと、社会貢献を目指した。

猿橋は気象研究所に35年間勤務し、80年に退職した。同年「女性科学者に明るい未来をの会」を創設し、以後、自然科学の分野で顕著な研究業績を収めた女性科学者に毎年「猿橋賞」を授与することになる。

「立派な科学者になる能力を持つ女性は大勢いる。女性が男性と対等な立場で科学技術に貢献できる日が来ることを期待している」と、猿橋は語っていた。

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