最新記事

ミサイル

都内初の弾道ミサイル避難訓練 雪の中、東京ドーム周辺で300人参加

2018年1月22日(月)13時12分

1月22日、東京都内で初となる弾道ミサイルを想定した避難訓練が午前、文京区の東京ドームシティ周辺で行われた。写真は訓練で走る参加者。東京ドームシティで撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

東京都内で初となる弾道ミサイルを想定した避難訓練が22日午前、文京区の東京ドームシティ周辺で行われた。訓練には近隣の住民や在勤者約300人が参加。ミサイル発射情報が流れてから建物内や地下などに避難する手順を確認した。

訓練は文京区役所を中心に、隣接する駅や東京ドームの遊園地内、住宅街で実施された。雪交じりの雨が降る中、午前10時すぎにミサイル発射を知らせる放送が流れると、遊園地では参加者が遊具から降り、係員に誘導されて建物内に移動した。

参加した会社員の男性(50)は、「サイレンが鳴ってからどう行動すればいいのか(これまで)知らなかったが、地下にもぐるとか、5分以内に避難場所を探さないといけないなどといったことが分かった」と話した。

政府によると、北朝鮮でミサイルが発射されてから緊急情報を伝達するJアラートが流れるまで約3分。ミサイルは8─9分程度で日本に到達することから、避難行動に当てられる時間は5分程度となる。「屋内にいる場合は外に出ると危険。たとえば自宅にいるときは、その中で避難行動を取ってもらいたい」と、末永洋之内閣参事官は言う。

政府が関与する形で弾道ミサイルの避難訓練を行うのは今回で27回目。地方自治体が独自に実施したものを含めると、全国で130回以上の訓練が行われている。

弾道ミサイルの避難訓練を巡っては、戦争や恐怖心をあおるなどとして反対する声もある。この日も区役所や遊園地の前では、「ミサイル訓練は戦争訓練だ」という横断幕を掲げたり、「ノー・ウォー(戦争反対)」と叫ぶ人たちの姿があった。

(久保信博)

[東京 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マクロン氏、プーチン氏のイスラエル・イラン危機仲介

ワールド

原油先物続伸し3%超上昇、イラン・イスラエルの攻撃

ビジネス

ECB、2%のインフレ目標は達成可能─ラガルド総裁

ワールド

トランプ氏、イラン・イスラエル和平を楽観視 プーチ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 4
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 5
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 6
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 9
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 7
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 8
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中