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「筋トレは、がんによる死亡リスクを31%下げる」との研究結果

2017年11月22日(水)18時00分
松岡由希子

「筋トレは、がんによる死亡リスクを31%下げる」との研究結果 monkeybusinessimages-iStock

<豪シドニー大学の研究プロジェクトは、「筋力トレーニングをしている人は、そうでない人に比べて、全死因における死亡リスクが23%低く、なかでも、がんによる死亡リスクは31%低かった」との研究結果を発表した>

健康のためのエクササイズといえば、ウォーキングやジョギングといった有酸素運動が注目されがちだが、同様に、腕立て伏せやスクワットなどの筋力トレーニングも健康維持にとって重要だ。

世界保健機関(WHO)では、18歳から64歳までの成人を対象とする運動ガイドラインとして、1週間あたり150分以上の有酸素運動とともに、週二回以上、筋力トレーニングを行うことを推奨している。

がんによる死亡リスクは31%低かった

では、筋力トレーニングは、私たちの寿命にどのような影響をもたらしているのだろうか。豪シドニー大学の研究プロジェクトは、2017年11月1日、疫病専門誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー」において、「筋力トレーニングをしている人は、そうでない人に比べて、全死因における死亡リスクが23%低く、なかでも、がんによる死亡リスクは31%低かった」との研究結果を発表した。

この研究プロジェクトでは、イングランド健康調査(HSE)およびスコットランド健康調査(SHS)の1994年から2008年までのデータを用い、30歳以上の成人80,306名を対象に、筋力トレーニングと全死因における死亡、がんによる死亡との関連性について分析。

その結果、週二回以上、筋力トレーニングを行っている人は、全死因における死亡リスクが23%低く、がんによる死亡リスクも31%低いことが明らかになった。また、この分析によれば、専用マシンを使わない筋力トレーニングも、ジムなどで行われる筋力トレーニングと同等の効果があると認められたという。

ペンシルバニア州立大学の研究結果でも

筋力トレーニングと死亡リスクとの因果関係については完全に解明されていないものの、この研究結果は、筋力トレーニングを習慣づけることが長期的な健康維持に望ましいことを示している点で、一定の評価に値するだろう。

同様の見解は、「65歳以上の高齢者のうち、筋力トレーニングを行っている人は、そうでない人よりも、全死因における死亡リスクが31.6%低い」とした米ペンシルバニア州立大学の研究結果でも示されている。

筋力トレーニングが、有酸素運動と同様、健康維持に重要な役割を果たすのにもかかわらず、現代人は、とかく運動不足になりがちなのが現状だ。オーストラリアで2011年から2012年に実施された「全国栄養運動調査(NNPAS)」によると、週二回以上筋力トレーニングを行っている人は、全体のわずか18.6%にすぎない。

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