最新記事

ペット

犬の外出時、口輪装着を義務づけるかで論争に 韓国最新ペット事情

2017年11月17日(金)21時22分
杉本あずみ


猫はペットとしてマイナーな存在


韓国ではペット1000万匹時代と言われている。犬に限らずペットを飼う人たちも増えた。とはいえ、ペット事情は日本と少し違っている。つい十数年前までは、ソウル中心部、明洞の隣りに位置する忠武路の「愛犬通り」と呼ばれるペットショップが軒を連ねた通りに買いに行ったり、知り合いから譲り受ける事が多かったが、ネット社会が進むにつれインターネットの掲示板で連絡を取って譲り受ける方法も多くなった。また、その価格はかなり安く、日本より気軽に飼える印象がある。家に迎え入れる際も日本はマンションなどでのペット飼育の可、不可がはっきりとしているが、韓国の場合あいまいなマンションも多い。

私は、12年前に韓国で猫を飼い始めたが、犬に比べ猫はかなり飼うのが難しい。当時、韓国人は猫を嫌う人が多く(今はかなり変わったが、それでも年配者には不吉な生き物として猫嫌いが多い)ペットショップに猫が売っていることが珍しかった。

私の場合は韓国で当時一世を風靡したSNS「サイワールド」で猫コミュニティを探し、里親探しのコーナーから掲載者に連絡を取って猫を引き取ったのだ。初めて猫と対面する日、里親の掲載者の家に行くと案内されたのはなんと地下室。窓もない真っ暗の階段を下りて行き電気をつけると、なんと50匹以上の猫が放し飼いにされていた。ここで今の愛猫ビーノを「責任費」という名の10万ウォンを支払って引き取ってきた(「責任費」は無料でペットを譲ると無責任に捨てる人がいることから生まれた里親への謝礼システム)。この掲載者は猫を地下に閉じ込め、子猫が生まれるたびに掲示板に載せて、この責任費の10万ウォンを稼いでいたのだ。

子猫の健康状態もかなり悪く、生後3か月のはずがかなり小さく、今まで日光に当ったことが無いためか、手足と鼻先にカビが生えていた。すぐに近くの動物病院に連れて行ったものの、獣医師も「猫はあまり見ない。わざわざ病院に連れてくる人がいない」と言って診るのを嫌がり、結果他の大きな動物病院に連れて行かなければいけない状態だった。現在は、猫好きも増えて動物病院も充実、猫専用の店やペットホテルもできた。韓国内でも猫カフェは人気で猫好きの来客者を癒している。それでも餌や猫のおやつ、グッズは輸入物が多く、犬用品に比べると種類もかなり少ない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

金現物、4500ドル初めて突破 銀・プラチナも最高

ワールド

イスラエル、軍ラジオを来年閉鎖 言論の自由脅かすと

ワールド

再送-ベネズエラが原油を洋上保管、米圧力で輸出支障

ワールド

豪NSW州で銃規制・ 反テロ法強化、乱射事件受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者・野村泰紀に聞いた「ファンダメンタルなもの」への情熱
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これまでで最も希望が持てる」
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    なぜ人は「過去の失敗」ばかり覚えているのか?――老…
  • 10
    楽しい自撮り動画から一転...女性が「凶暴な大型動物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中