最新記事

保存版 北朝鮮の歴史

北朝鮮は1960年代から核保有国への野望を抱いていた

2017年11月24日(金)12時15分
ニューズウィーク日本版編集部

Newsweek Japan (KCNA-Reuters)


171128cover_150.jpg<ニューズウィーク日本版11月21日発売号(2017年11月28日号)は、不可解過ぎる「金王朝」を歴史で読み解く「保存版 北朝鮮の歴史」特集。この特集から、北朝鮮の核・ミサイル開発の歴史を辿った記事を転載する>

韓国も実は1970年代に、独自の核武装をもくろんでいた。しかし、計画を知ったアメリカに止められる。その間、朝鮮半島の北側でもひそかに核開発の準備が進められていたらしい。

北朝鮮の核計画が明らかになったのは90年代だが、60年代には既に核開発の意図を持っていたという説がある。56年、北朝鮮は既に研究と人材育成のため、ソ連の核研究所に科学者を送り込んでいた。80年代には平壌北方の寧辺に建設した実験用原子炉が臨界に達している。核兵器の製造につながるタイプの原子炉、黒鉛減速炉だ。

94 年の米朝枠組み合意で核開発の放棄を約束したものの、金正日に核を諦める気はなかったようだ。秘密裏に開発を続け、2006年10月には初の核実験に成功した。核開発は金正恩の時代に入ってスピードアップし、16 年1月の4回目の核実験は「水素爆弾だった」と発表。17年9月の6回目も水爆で、広島に投下された原子爆弾の10倍以上の爆発規模160キロトンだったとみられている。

既に「核保有国」になったともいえる北朝鮮だが、もう1つ必要なのが核弾頭を飛ばすためのミサイルだ。朝鮮戦争以来の敵国アメリカに「金王朝」の保障を約束させるには、米本土に到達し、脅威を与えられるICBM(大陸間弾道ミサイル)が欲しい――。

ミサイル開発の歴史は、70年代にさかのぼる。76年にソ連製の短距離ミサイル「スカッド」をエジプトから購入したのが始まりで、84年には国産の短距離ミサイル「火星(ファソン)」を製造していたとみられる。

その後は、「ノドン」「ムスダン」「テポドン」と開発を進め、射程を伸ばしていく。発射実験の数も増えていった。17年8月と9月に発射された中距離弾道ミサイル「火星12」(推定射程4500~5000キロ)、17年7月のICBM「火星14」(推定射程9000~1万キロ)と、性能も向上しているようだ。

北朝鮮は現在、さまざまな性能のミサイルを1000発以上保有しているとみられる。さらには近い将来、小型の核弾頭を搭載したミサイルをアメリカ本土に撃ち込める能力を手にすると専門家は予測する。

だがその先に待っているのが、金正恩が切望する体制保障なのかは分からない。

【参考記事】【年表】北朝鮮:建国から6回目の核実験まで(1948-2017)
【参考記事】「テロ支援国家」北朝鮮が起こした蛮行の数々

※「保存版 北朝鮮の歴史」特集号はこちらからお買い求めいただけます。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米当局、NY旅客機事故の概要説明へ 管制官「失敗し

ビジネス

主要国PMIが軒並み悪化、エネルギー高騰で景気が急

ワールド

米・イラン協議、パキスタン「開催の用意」 1週間以

ビジネス

米労働生産性改定値、25年第4四半期は1.8%上昇
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 2
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆保険」を達成した中国の医療保険の実態とは
  • 3
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下位になった国はどこ?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 6
    スペイン王室、王妃と王女の装いに見る「母から娘」…
  • 7
    「日本人のほうが民度が低い」を招いてしまった渋谷…
  • 8
    表情に注目...ニコール・キッドマン、大富豪夫妻から…
  • 9
    「買ったら高いじゃん?」アカデミー賞会場のゴミ箱…
  • 10
    イラン戦争、トランプを泥沼に引きずり込む「5つの罠…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中