最新記事

保存版 北朝鮮の歴史

「テロ支援国家」北朝鮮が起こした蛮行の数々

2017年11月22日(水)11時24分
ニューズウィーク日本版編集部

金正恩・朝鮮労働党委員長は2017年2月、政治に関与せずマカオを本拠に国外で生活していた異母兄、金正男をマレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺した KCNA/via REUTERS


171128cover_150.jpg<11月20日、トランプ米政権が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した。ニューズウィーク日本版11月21日発売号(2017年11月28日号)は、不可解過ぎる「金王朝」を歴史で読み解く「保存版 北朝鮮の歴史」特集。この特集から、北朝鮮による過去のテロ活動を振り返った記事を転載する>

米政府は88年、テロ活動を行っていた北朝鮮をテロ支援国家に指定した。アメリカはその指定を08年に解除したが、17年2月の金正男暗殺を受け、テロ支援国家に再指定すべしという声が米議会で高まっている(※11月20日、トランプ米政権が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した)。

拉致事件を除く、北朝鮮による主なテロ事件を挙げると――。

韓国大統領官邸襲撃未遂事件(68年1月)

朴正煕(パク・チョンヒ)大統領の暗殺を狙い、北朝鮮の武装ゲリラ31人が密かに韓国に侵入、ソウルの大統領官邸(青瓦台)襲撃を試みた事件。衛兵に阻止されて逃走。銃撃戦の末、30人が死亡、1人が捕まった。後に朴が報復のため、金日成暗殺計画を策定し部隊を育成。その史実が03年の韓国映画『シルミド』の題材になった。

ラングーン(ヤンゴン)アウンサン廟爆破事件(83年10月)

ビルマ(現ミャンマー)訪問中の全チョン・ドゥファン斗煥韓国大統領の暗殺を企て、北朝鮮工作員3人がアウンサン廟に爆弾を設置。全は難を逃れたが、韓国の副首相や外相、同行記者、ビルマ政府関係者ら計21人が死亡した。ビルマ当局は工作員1人を射殺、2人を逮捕。ビルマと北朝鮮は国交を断絶したが、07年に復交。

大韓航空機爆破事件(87年11月)

バグダッド発ソウル行きの大韓航空機がビルマ沖上空で爆発、乗員乗客115人が死亡した事件。経由地のアブダビで同便を降りていた男女が、事件2日後、バーレーン警察に逮捕された。実行犯の男は服毒自殺し、生き延びた女工作員の金賢姫(キム・ヒョンヒ)は韓国に移送。2人は日本の偽造パスポートを持ち、日本人を名乗っていた。

【参考記事】【年表】北朝鮮:建国から6回目の核実験まで(1948-2017)

※「保存版 北朝鮮の歴史」特集号はこちらからお買い求めいただけます。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
 ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英ヒースロー空港再開へ、インフラの脆弱性示唆の声も

ビジネス

中国人民銀、為替市場の回復力強化を提案

ワールド

米、ガザ攻撃再燃「ハマスに全責任」と非難 国連安保

ワールド

トランプ氏、ボーイングと次世代戦闘機契約 「F47
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 5
    止まらぬ牛肉高騰、全米で記録的水準に接近中...今後…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 8
    医師の常識──風邪は薬で治らない? 咳を和らげるスー…
  • 9
    コレステロールが老化を遅らせていた...スーパーエイ…
  • 10
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 9
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 10
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中