最新記事

北朝鮮情勢

北朝鮮はトランプのアジア歴訪中にミサイル実験をする気か?

2017年10月30日(月)16時30分
クリスティーナ・シルバ

北朝鮮を「完全に破壊する」と演説したトランプに対し、「必ず代価を支払わせる」と言った金正恩(9月22日) KCNA/REUTERS

<アジア外遊中にミサイルを撃てば、北朝鮮はトランプを困らせることができる>

北朝鮮は、ドナルド・トランプ米大統領が日本、韓国、中国を訪問する今週末から来週にかけてミサイル発射実験を行う可能性がある。

米ニュースサイト「マクラッチー」の記者アニータ・クマーは10月29日、MSNBCの番組に出演し、過去数カ月、北朝鮮の金正恩党委員長と軍事攻撃の威嚇をし合ってきたトランプも、アジア歴訪中は口を慎んだほうがいいと警告した。

複数の専門家の話として、トランプのアジア歴訪中に北朝鮮はミサイル発射実験をするかもしれないと、クマーは言った。トランプを日本か中国か韓国で「困った立場に追い込めるから」だという。「トランプはその時その場での決断を迫られることになる」

「新たな緊急性」

トランプのアジア訪問を目前に控え、米朝関係は緊張を増す一方だ。朝鮮半島の南北軍事境界線にある板門店を訪れたジェームズ・マティス米国防長官は10月27日、北朝鮮の「無法な」態度によって両国関係は「新たな緊急性」を帯びたと語った。「北朝鮮は、違法で不要なミサイル・核開発で周辺国と世界を脅している」とマティスは言い、「アメリカが北朝鮮の核保有を認めることはありえない」と付け加えた。

北朝鮮と戦争をすれば、破滅的な結果を招くだろうと、NATO(北大西洋条約機構)のイエンス・ストルテンベルグ事務総長は10月27日に語り、対話その他の平和的手段で北朝鮮に世界に対する核攻撃を思いとどまらせるよう訴えた。

北朝鮮は先週、威嚇は本気だと言った。「李容浩外相は我が国の最高指導者の気持ちをよく知っている。従って、彼が『太平洋上で水爆実験を行う』と言えば、その発言も文字通りに受け取るべきだ」と、ある北朝鮮外務省高官は語っている。

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガリニューアル!
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中