最新記事

中国共産党

情報が漏れた新チャイナ・セブンのリスト予測

2017年10月24日(火)11時30分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

このversion2は香港の「明報」も伝えている。

胡春華も陳文爾も入っていない

これらの情報によれば、胡春華も陳敏爾も、新チャイナ・セブンに入ってないことになる。陳敏爾が入らないというのは、以前書いたこのコラム欄でも、大陸外の中文メディアの一部が推測していることは述べた。どれが正しいかは、この段階では、やはりまだ分からない。

一方、習近平は早くから「後継者指名(隔代指導者指名)」は行なわないだろうという趣旨の情報が入ってきてはいた。その意味からすれば、胡春華も陳敏爾も後継者になり得る存在で、敢えて今回はチャイナ・セブンに入れないという見方もできなくはないが、やや不自然だ。

胡春華が入らない理由として、彼が共青団派であるからということは考えにくい。

なぜなら候補者として挙がっている汪洋は共青団派だからだ。

おまけに10月18日の開幕式において長時間にわたる党活動報告演説を終えた習近平は、席に戻るなり、胡錦濤(前総書記)とにこやかに挨拶をして互いに長い握手をしていた。中央テレビ局CCTVでは、習近平が胡錦濤に「私を助けてくれて、ありがとう!」と言っていると解説していた。

習近平と胡錦濤は非常に仲がよく、中国建国史上、ここまで友好的に権力交代をした指導者同士はいない。それは胡錦濤が腐敗運動を習近平に託すために自ら全ての職位から退いて、習近平が反腐敗運動を展開しやすいように配慮したからだ。

胡錦濤は健在な元指導者の中では共青団派のトップ。したがって胡春華が共青団であるが故に新チャイナ・セブンから外すことはあり得ない。

王滬寧は政界入りしたくないと常々言ってきた

そもそも王滬寧(中共中央政策研究室主任)は、拙著『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』に詳述したように、江沢民、胡錦濤、習近平と三代の紅い皇帝のブレインを務めてきた特別な存在だ。政界入りしないことが、彼を長く存続させている。

しかしもし、習近平が王滬寧に、「これで最後になるので、一回だけ政治局常務委員になって、自分を支えてくれ」と懇願したとしたら、話は別だ。人生の最後に、一回だけ常務委員入りする可能性は皆無ではない。

頼りにしていた王岐山がいなくなるので、常にブレインの王滬寧にそばにいてほしいという気持はあり得るだろう。特にイデオロギー(意識形態、精神文明)という、これからは最もコントロールしにくい分野になってくる。王滬寧に頼るしかないとなれば、中国共産党の一党支配が危なくなっている(習近平が自信を無くしている)ことを示唆する。

いずれ明日25日には全てが判明する。したがって以上述べたことはやはり予測の範囲を出ない。

日本でも衆院選の選挙が終わり、中国でも新しい党の最高指導メンバーが決まる。日本の選挙結果を待った性格とは異なるが、あと1日とは言え、やはり新チャイナ・セブンの結果が気になるので、現状を考察してみた。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

この筆者の記事一覧はこちら≫

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、CIAに停戦協議打診か イスラエルは米に説

ワールド

ハメネイ師息子モジタバ師、後継有力候補との情報 米

ビジネス

プーチン氏、欧州向けガス供給の即時停止の可能性を示

ワールド

イラン交戦は国連憲章違反、学校攻撃にも深い衝撃=独
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 9
    「イランはどこ?」2000人のアメリカ人が指差した場…
  • 10
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中