最新記事

動物

失敗続きのパンダ繁殖に効果絶大「パンダポルノ」

2017年6月16日(金)14時00分
ジョシュ・ロウ

雄パンダがなかなか「その気」にならないことも繁殖を難しくしている要因 powerofforeve-iStock.

<交尾期間が短いパンダを飼育環境で繁殖させるのは極めて難しいが、他のパンダの交尾ビデオを見せる「パンダポルノ」の効果は期待できる?>

パンダの繁殖は、世界中の動物園が頭を悩ませる難題。そこで、まもなく愛くるしいパンダのペアがやって来るベルリン動物園に、専門家からある秘策が授けられた。それは、パンダにポルノを見せることだ。

ベルリン動物園では、今月中に中国から送られるメンメン(雌)とジャオチン(雄)を迎える準備を進めている。

動物園のサイトでは、2頭の到着に向けてカウントダウンが始まっている。15年間、飼育する契約で、年間約100万ドルの費用がかかる。

中国が友好国にパンダを貸し出す「パンダ外交」の一環だ。

【参考記事】シャチがホホジロザメを餌にし始めた

動物園側の狙いはパンダだけではない。赤ちゃんパンダの誕生も望んでいる。しかし飼育中のパンダの繁殖は極めて困難で、雄のパンダが雌のパンダを妊娠させる交尾期間は1年に1度、なんと36~40時間しかない。雄のパンダが怠惰なためなかなか「その気」にならないことも、繁殖を難しくしている要因だ。

ベルリン動物園のパンダ舎を視察したパンダ繁殖の専門家ユアン・ボーは、ドイツ紙の取材に、パンダを交尾させる有効策の一つとして、他のパンダが交尾するビデオ「パンダポルノ」を見せることを勧めている。

webs170616-panda02.jpg


タイ・チェンマイの動物園でパンダポルノを見る雄パンダ(07年3月)REUTERS

【参考記事】垂れ耳猫のスコフォがこの世から消える!? 動物愛護団体から残酷との声

2頭のパンダはしばらく飼育環境にならした後、一般公開される。7月7~8日の日程で開催されるG20サミットのために中国の習近平(シー・チンピン)国家主席がドイツを訪問するため、地元メディアからは習がオープニングセレモニーに参加するのではないかという憶測が出ている。

ベルリン動物園はこれまでにも中国からパンダを迎えたことがあり、2012年に34歳で死亡した雄のバオバオは、当時世界最高齢の雄パンダだった。2007年に死亡した雌のヤンヤンと交尾させようと何度か試みられたが、成功しなかった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、イスラエルへの報復ないと示唆 戦火の拡大回

ワールド

「イスラエルとの関連証明されず」とイラン外相、19

ワールド

米石油・ガス掘削リグ稼働数、5週間ぶりに増加=ベー

ビジネス

日銀の利上げ、慎重に進めるべき=IMF日本担当
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 2

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子供を「蹴った」年配女性の動画が大炎上 「信じ難いほど傲慢」

  • 3

    あまりの激しさで上半身があらわになる女性も...スーパーで買い物客7人が「大乱闘」を繰り広げる動画が話題に

  • 4

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 5

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 5

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 9

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中